女性蔑視発言の森喜朗・東京五輪・パラリンピック大会組織委員会会長に対し、辞任を求める声がマスコミ各社の世論調査でも鮮明になっている。共同通信調査では「会長として不適任」との回答が59.9%、JNN調査でも「森氏は辞任すべき」との回答が59%だった。森会長の発言に問題ありとする人は読売新聞調査で「大いに問題」が63%、「多少」が28%と合わせると9割を超えている。
ヤフー「みんなの意見」(2月5日~20、8日午前9時現在)での投票では、35万5840人が投票し、90.8%にあたる32万3084人が「辞任すべき」とし、続投すべきは7.5%(2万6512人)にとどまっている。
立憲民主党の大串博志衆院議員はSNSで「森喜朗東京オリ・パラ大会組織委員会会長は、自ら辞すという形で身を処すべき。菅総理は森会長に決断を促すべき。そうでなければ、日本は女性蔑視を容認する国だと、世界に対して公然と認めるのと同じになる。人が人を差別する。それが認められてしまう。そんな日本ではあって欲しくない」と発信。
日本共産党の田村智子参院議員はSNSで「『日本は神の国』発言の人物が組織委員会トップになった時から、大丈夫か東京五輪と思っていた」と書き込み「国際問題になったから、というより、これまで国内で何も問題になってこなかったことが深刻だと思える。女性蔑視の思想には、戦前の日本社会への憧憬という根があると思えてならない。家父長制、経済も社会も責任もっているのは男、女がでしゃばるなんて迷惑だ、みっともない、という根っこ。 そういう人物だと、わかっていたのに、なぜ五輪組織委員会の会長なのか」とそもそも五輪憲章に照らして会長ポストにふさわしくない人物だったと指摘している。
田村氏はまた5日の記者会見では森会長が女性理事の比率について「文科省がうるさく言うのでね」と発言したことに、森会長は本質を「まったく無理解」と指摘。田村氏は「女性差別撤廃条約に基づいて、様々な政策決定の場に2020年までに少なくとも(女性が)3割必要とし、その目標に向け国際的にも進められ、多くの国々は目標を達成している。日本はそれが極めて遅れていて、森氏の発言は、そういった必要性さえ認めない発言だ。『文科省がうるさく言うから』というそんな認識なのか」と事の重要性を認識していない森会長を批判した。
また菅義偉総理の国会答弁から「菅総理も森会長発言の何が問題なのかわかっていない」と総理の認識に対しても問題とした。(編集担当:森高龍二)