岸信夫防衛大臣は5日の記者会見で米軍が尖閣諸島周辺海域で物資補給に関する訓練を計画し、事前に日本政府に通告していたとする報道に関し「米軍は日米安保条約の目的達成のために必要な訓練を行ってきているところであり、米軍の運用に関わることなので答えは差し控えさせていただきたい」と事実関係を否定しなかった。当初の訓練は天候のため中止になっている。
岸大臣は「累次の機会で、米国は『日米安保5条は尖閣諸島にも適用される』ということを繰り返し確認してきている。政府としては、尖閣を巡る情勢について引き続き米国とも連携の上、毅然、冷静に対処していく」と述べた。
また「非常にわが国を取り巻く安全保障環境は厳しさを増している。自衛隊もそうだが、日本に駐留している米軍の自らの練度をしっかり高めていくことは、わが国の安全を維持するためにも重要であると考えている」と述べた。
また岸大臣は「4日に行われた日米外務・防衛当局審議官級協議で東シナ海、南シナ海問題については力による一方的な現状変更の試みに対し、あらためて強く反対するとともに、中国海警法についても深刻な懸念を共有した。『自由で開かれたインド太平洋』を維持・強化し、日米同盟の抑止力・対処力を高め、日米同盟を一層強化していくために引き続き緊密に連携していくことで一致した」と語った。(編集担当:森高龍二)