東北新社の衛星放送を巡る不可解な行動が8日に参院予算委員会で立憲民主党の小西洋之議員から時系列で指摘され、許認可を巡って放送行政がゆがめられた可能性が浮かび上がっている。小西議員は放送法の外資規制を巡り、東北新社が「外資規制違反」逃れの子会社設立に便宜を図った可能性を指摘した。
小西議員は「放送法は外国人などが持つ株が20%を超えてはいけないとしているが、東北新社は2017年1月24日にBS放送の大臣認可を受けたわずか2か月後に外資比率が21.23%と違法状態にあった。9月30日には22.21%(になった)」と指摘。
そして「(2017年)7月28日に自分の関連チャンネル3つを東北新社に集めると発表したが、8月18日、それをやめ、新しい子会社をつくり東北新社の放送事業者の地位もほかの3チャンネルまとめてそちらに持っていった。その結果、つくられたのが東北新社メディアサービスだった」と流れを説明。
そのうえで「東北新社は9月17日に放送事業者の地位継承申請を総務大臣にしたが、9月30日はすでに外資規制を超えており、(総務省は)放送法に基づいて放送事業者の認定を取り消さなければならないのに(なぜ、法に基づく対応ができていなかったのか)」と質した。
また小西議員は「外資規制違反を回避する唯一の方法が、この子会社つくり」とし「子会社の地位の継承を申請するのに、総務省にどのような相談があったか」とも質した。
総務省は「大臣の指示もいただき、現在、事実関係の確認を行っているところです」「大臣の指示をいただき、きちんと確認をしているところです」と大臣指示に基づき、事実確認中の旨を繰り返すのみだった。
さらに小西議員は「大臣認可を行った当時の担当局長が(供応接待問題を端緒に健康上の理由で内閣広報官を辞任した)山田真貴子氏だった」と指摘。
「山田氏は2月25日『東北新社が利害関係者かどうか事前チェックしていなかった』と(国会答弁したが)利害関係者かどうかわからなかったというのは事実に反する答弁と思わないか」と投げた。
菅義偉総理は「総務省で調べているじゃないでしょうか」と他人事だった。このため小西議員は「辞めた方を調べることを禁止する法律がありますか」と釘を刺すと、菅総理は「総務省において、改めて検証を行うべく、第3者を含む検証委員会を立ち上げるものと承知している」とそこでの検証で事実関係が解明されていくだろうとした。(編集担当:森高龍二)