コロナ禍の人手不足。業種により格差。建設、電気通信で高水準。飲食、宿泊で急減

2021年03月14日 09:02

画・コロナ禍の人手不足。業種により格差。建設、電気通信で高水準。飲食、宿泊で急減。

帝国データバンクが「人手不足に対する企業の動向調査」

 コロナ禍で先行き不透明な経済状態が続いている。コロナ以前は高度成長期なみの人手不足に悩まされていたが、2019年に1.6倍まで上昇した求人倍率も直近の1月データでは1.1倍までに下降している。

 コロナ禍の人手不足の状況について帝国データバンクが1月下旬に企業2万3695社を対象に調査を実施し、その結果を2月24日に公表している。これによれば、「正社員が不足している」と回答した企業は35.9%で前年同月と比べると13.6ポイント減少し、1月としては14年の36.6%とほぼ同水準となった。昨年は緊急事態宣言が解除となった5月に29.1%まで低下したものの、その後12月まで上昇傾向で推移したが、2度目の緊急事態宣言が発出された今年1月は再び「正社員が不足」とする企業は減少している。

 非正社員でも同様に、人手不足と回答した企業は19.1%で前年同月と比べ10.1ポイントの減少となっている。月次の推移も昨年5月に15.2%まで低下した後12月の20.3%まで緩やかに上昇していたが今年1月は減少に反転した。

 新型コロナの影響が出始める前の昨年1月では「正社員が不足」と回答した企業は49.5%、「非正社員が不足」は29.2%であったから全体として人手不足はコロナ禍で大きく緩和されている。しかし、業種によりその状況に格差が見られ、その格差はコロナの影響が強く反映されているようだ。正社員で不足とする企業が多いのは「放送」56.3%、「建設」54.6%、「情報サービス」53.3%、「自動車・同部品小売」51.8%。続く「電気通信」44.4%は在宅勤務などリモート需要の高まりから6.9ポイント増加している。非正社員ではスーパーマーケットなどの「各種商品小売」が 52.0%がトップ、2位の「電気通信」42.9%は前年同月比28.6%と大幅増加だ。

 一方、飲食店では正社員で25.0%、前年同月比31.4ポイント減少、非正社員で34.4%、同42.5ポイントの大幅減少だ。旅館・ホテルでは正社員が5.3%で同56.2ポイント減少、非正社員が16.7%で同43.3ポイント減少といずれも大幅な減少だ。レポートは「新型コロナウイルスの影響により特に飲食店と旅館・ホテルでは人手不足割合は急減し、『仕事がない』ともいえる状況に直面している」「これ以上の厳しい局面を招く前に新たな支援策の実施が求められている」とまとめている。(編集担当:久保田雄城)