東京電力福島第一原発事故により毎日増え続ける放射能汚染水を処理して後の「放射性物質(トリチウム)を含む処理水」の処理について、菅義偉総理は7日、記者団の問いに「近日中に判断する」と語った。
菅総理は「福島復興に汚染水処理は避けて通れない課題だ。漁業関係者の皆さんと議論し、いろんな立場の皆さんの話を伺った。非常に有意義であったと思う。私からは6年間かけた検討の中での有識者の評価とか、風評被害について全漁連会長に(本日の面談で)話をした。本日の面談も含めて、これまでも意見を頂いているので、そうしたものを踏まえた上で近日中に判断していく」と語った。
記者団から環境への放出により風評被害が出た場合、東電による賠償の必要性はと聞かれ「仮定のことは控えた方がいいと思う。風評被害を最小限にする努力は絶対に必要だ」とするにとどめた。
処理水に関して海洋への放出の可能性が格段に高い中で、海洋放出に反対との意見が強いことに、菅総理は「特に福島県の皆さんにはそういう御意見が多いということは認識している」と述べたが、海洋放出に関して反対の声は国内だけでなく、近隣国からも強い懸念の声が上がっている。
また2018年には汚染処理水の約8割からストロンチウム90やヨウ素129などの放射性核種が含まれていることが発覚し、ヨウ素129やルテニウム106なども基準値を超えて含まれていた、との報道もあった。汚染処理水を薄め基準値以下にするのみでなく、再処理する必要も提起されている。(編集担当:森高龍二)