総理、原発事故のデプリや処理水に全く言及せず

2021年03月14日 08:58

 菅義偉総理は東日本大震災10周年追悼式に臨み、式辞で「被災地の復興は、着実に進展しております。地震・津波被災地域においては、住まいの再建・復興まちづくりがおおむね完了するなど、復興の総仕上げの段階に入っている」と述べた。

 また東電福島第一原発事故に関して「福島の被災地域では昨年に帰還困難区域を除く全ての地域の避難指示が解除され、帰還困難区域でも初めて一部で避難指示が解除されるなど、復興・再生に向けた動きも着実に進んでいる」と述べた。

 そして「中長期的な対応が必要な原子力災害被災地域においては、帰還に向けた生活環境の整備や産業・生業の再生支援などを着実に進める。来年度からの第2期復興・創生期間においても、福島の本格的な復興・再生、そして東北復興の総仕上げに、全力を尽くす」と語った。

 しかし、福島第一原発の廃炉に向けたデプリ取り出しは技術が確立せず先が見えない、そして今も毎日増え続ける放射性物質による大量の汚染水と汚染水処理の問題、また高レベル放射性廃棄物の処分問題などなど、総理がこの場で当然言及すべき『原発事故処理問題』と今後における『原発政策』にまったく言及しなかった。あまりに一般的な追悼式にあるようなあいさつにとどまったのは問題だ。震災被害、原発被害は今も継続しているにも関わらず・・・。(編集担当:森高龍二)