衆院選前哨戦となる参院長野選挙区補欠選挙と参院広島選挙区再選挙が8日告示され、事実上の与野党一騎打ちの選挙戦に入った。北海道2区の衆院補欠選挙も13日に告示される。3選挙とも、今月25日に投開票される。菅政権発足後、最初の国政選挙。国民の審判がどう下されるのか、注目される。
期日前投票含め、選挙管理委員会には「一票の重さを自覚」し、「投票箱に入った票の管理に責任を持ち」、有権者の意思が正確に反映されるよう最後まで緊張感を持ってつとめられるよう期待する。
「今更・・・」と言われそうだが、2019年7月の参院選挙では各所で集計トラブルが相次いだ。
最もひどい例は大阪府堺市美原区のトラブル。参院比例区の投票に有権者4人が「自分が投票した候補者の得票が『0』なのはおかしい」と訴えて表面化した。選管は美原区「0」と発表した。候補者は日本共産党から出馬した山下芳生氏。山下氏は全国で約4万9000票、府内で約1万6700票を得て、当選したが、なぜか「美原区だけ0票だった」。
ほかにも長野市では期日前投票用紙を間違えたために44人の票が無効になってしまった。投票所に足を運んだ有権者の思いを踏みにじるミスになった。同様のミスは沖縄県粟国村でも発生し58人の票が無効になった。尼崎市では投票者より33票多いミスが起きた。
千葉県では山本太郎氏への票を山田太郎氏に計上するミスがあった。後に山本氏に4590票が加算され、山田氏から3855票を削減する修正が行われた。
選管委員も人である以上、完全ではないことは理解する。しかし、投票した1票、1票は、イコール「1人、1人の意思である」重さを常に自覚し、ミスが起こらないよう、徹底注意していただきたい。
さきの山下氏への投票者の怒りはいかばかりかと思う。当選しているから、当落に関係するものでない。しかし、当落線上だったらどうなのか、を考えるべき。こうした抗議があれば、選管は責任を持って再調査すべきではないのか。当時、再調査できないとする選管の方針を報道で知ったが、選管判断に疑問を持った。有権者の意思を軽んじる行為は絶対に避けなければならない。このような問題が発生しないよう、3選挙担当の選挙管理委員会の皆さんには、本当に心して取り組んでいただきたい。ノーミスで選挙が行われることを願う。(編集担当:森高龍二)