車載電装システム、xEV系で好調。他も21年に回復、30年の世界市場は43兆円市場に

2021年04月18日 08:12

画・車載電装システム、xEV系で好調。他も21年に回復、30年の世界市場は43兆円市場に。

富士キメラ総研が車載電装システム世界市場調査。20年は縮小も以降回復、30年に42.6兆円市場に

 自動車産業は100年に1度の大変革期にあると言われる。いわゆるCASEと呼ばれる「コネクティッド」、「自動化」、「シェアリング」、「電動化」などの技術革新が急速に進み、また環境問題を背景にした規制など新たなルールでの競争が始まっている。2020年は新型コロナウイルス感染症の世界的流行で自動車市場は大きく停滞した。しかし、その中でも欧州を中心に電動化へのシフトは急速に進んでおり、21年には世界市場は大幅に回復すると見込まれている。こうした動きに連動し車載電装システムの世界市場も今後大きく拡大する見込みだ。

 富士キメラ総研が車載電装システムの世界市場を調査し、その結果を「車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査2021」として取りまとめ、4月5日にその一部をレポートとして公表している。この調査ではパワートレイン系、xEV(HV/PHV/EV/FCV)系、走行安全系、ボディ系、情報系の車載電装システム、計22品目の世界市場を調査している。

 レポートによれば20年はパンデミックの影響で自動車生産自体が大きく減少、これに比例し電装系も縮小、市場規模は19兆570億円、前年比84.6%の減少となる見込みだが、21年には回復に向かい電装システムの需要も増加するとみられる。22年以降も電動自動車へのシフト、自動運転システムの搭載増加などで市場は拡大基調と予想される。

 xEV系については20年でも電動車のシェア拡大が順調で市場規模は6兆1419億円、前年比110.4%の増加になる見込みだ。今後も各国で環境規制対策が進められxEVのシェアが拡大し電装システムも連動し成長するとみられ、30年には19年比で6倍の15兆7955億円市場になると予測されている。走行安全系は20年に4兆1796億円、前年比82.4%の減少となるが、21年からは自動運転システムの増加によって回復・拡大が見込まれ、30年には19年比164.6%の8兆3516億円に達すると予測されている。パワートレイン系や情報系、ボディ系も20年に大きく落ち込んだものの21年以降は回復に向かい、24年までに19年の実績を超え、以降は順調な伸びが予想される。情報系のドライバーモニタリングシステムや電子ミラーは未だ市場規模は小さいものの、今後大幅な伸びが期待されている。30年のxEV系、走行安全系、ボディ系、情報系の合計は19年比188.9%の42兆5545億円に達すると予測されている。(編集担当:久保田雄城)