森元総理 所期の目的は大体達成できた

2013年02月22日 19:54

 外務省は森喜朗元総理とプーチンロシア大統領との会談の概要を22日、発表した。領土問題で、プーチン大統領が以前に語った「引き分け」の意味について森元総理が訊ねたところ、プーチン大統領は「引き分けとは勝ち負けなしの解決。双方受入れ可能な解決を意味すると述べた」とし「そのような解決を目指すべく、両国首脳から両国外務省に指示を出す必要があることで一致した」としている。

 また、森元総理が2001年にプーチン大統領との間で署名したイルクーツク声明の重要性を強調したうえで「領土問題を最終的に解決するためには安倍総理とプーチン大統領が決断することが必要であると強調した」のに対し、「プーチン大統領はうなずきながら聞き、両国間に平和条約がないことは異常な事態であると述べた」と発表した。

 森元総理は「安倍総理のロシア訪問の地ならしになればとの思いで訪ね、領土問題、経済問題、北朝鮮、スポーツなど幅広い分野での意見交換ができ、大体、所期の目的は達成できたと思っている」と話した。

 また、森元総理はプーチン大統領に朝日新聞に掲載された針すなお氏の風刺漫画(両氏が柔道着姿で左手で取り組み合いながら、右手で握手している様を描いたもの)を提示したことを披瀝。その際、「プーチン大統領は『無差別級だなぁ』って笑ってましたが、どういう意味だったのかな、わかりませんが」と、会談の入りが和やかなところから入れたことを伺わせた。

 このほか、安倍総理の訪ロについてプーチン大統領からは「総理の訪露を心待ちにしている。訪露が日露関係発展の良いステップとなることを期待している。充実した訪露となるよう協力しよう」と述べたという。

 北朝鮮問題についても「北朝鮮の核実験は断じて容認できない。北朝鮮を国際社会の責任ある一員に取り込んでいくため日露が協力することで一致」と外務省が発表。「プーチン大統領からはこの問題について、安倍総理との首脳会談においても大事なテーマとなると述べた」とした。(編集担当:森高龍二)