菅義偉総理は新型コロナウイルス感染症の感染者数が高止まりしている状況に、30日、改めて「お酒の提供の停止、人流を抑える対策が必要だ。また、明日(1日)から5連休に入る。不要不急での外出、また行楽、帰省、こうしたことを控えていただきたい。国民の皆さんに心からお願い申し上げます」と要請した。
また東京五輪・パラリンピック大会組織委員会が医療現場ひっ迫状況の中、大会のために看護師500人の派遣を日本看護協会に要請している問題について「看護協会の中で、現在、休まれている方もたくさんいらっしゃるというふうに聞いていますので、そうしたことは可能と思っている」と述べた。
この認識に、ネット上では「休眠状態の看護師(第一線を退いて家庭に入っている元看護師など)を派遣しても現場では役に立たないだろう。現役でバリバリ働いている看護師だからこそ、オリンピック会場で不測の事態に対応できるのだ。そんなこともわからないのか?」
「可能であるならオリンピックではなくて、医療崩壊や逼迫している医療機関に行ってもらう方が良いと思います。看護師もオリンピック反対ですし。モノみたいに扱うのは非常に失礼」「現在働いていないで休んでいる看護師資格を持っている人が、おいそれとすぐに復帰出来るものではないし、かなりお気楽な見通しとしか思えない。これが日本のリーダーの見解とは情けない限り」などなど、総理の五輪開催ありきの姿勢と現況認識の甘さに批判の声が溢れている。
「一般市民の命をどう考えているのだろうか。オリンピックに充てる看護師、経費を現在苦しんでいる看護師、経済困難な方々に充てるよう考え直してください」との声も。
各種マスコミの世論調査でも中止、延期を支持する声が7割を超え、変異株による感染拡大が続く中、歓迎されない五輪開催に中止や延期の判断検討こそ、多くの国民が政府や都、組織委員会に求めていることを冷静に受け止めるべき時期に入っている。(編集担当:森高龍二)