東京五輪・パラリンピック大会組織委員会が日本看護協会に対して、五輪・パラリン開催期間中に5日以上従事する医療人員約500人を要請したことに批判が集まっているが、日本共産党の志位和夫委員長は「医療崩壊のただなかで苦闘している看護協会に、よくこんな依頼が出せたものだ」と批判。五輪開催姿勢に「いよいよ矛盾はどうしようもないところまできた」とツイッターで発信した。そのうえで「五輪中止の決断を」と求めた。
組織委員会の武藤敏郎事務総長は「大前提は地域医療に悪影響を与えないようにすること。勤務時間、シフトの在り方をよく相談しながら、対応可能なやり方を相談していきたい」とした。
しかし、国民へのコロナワクチン接種真っただ中の7月中に、地域医療に影響を与えず、今でも不足している看護師を500人も確保する余裕が生まれるのか。そもそも、東京、埼玉、千葉、神奈川の高齢者へのワクチン接種に政府が自衛隊に都内に大規模接種センターを5月24日までの設置を目標に3か月間、開設し、医官・看護官ら自衛隊医療関係者で運営してほしい、と自衛隊に依存しなければならない状況になっている。この現実を五輪関係者はどう見ているのか、批判的な声はネット上にも多い。
志位氏は医療の専門家が「平和の祭典のはずの東京五輪が、“変異ウイルスの災典”になりかねない」と指摘しているのを紹介したうえで「その危険性を否定できる人は世界のどこにもいないだろう」と、このまま『開催ありき』でひた走る五輪関係者の姿勢に対して強い憂慮を発信。開催中止、延期への声が各種のマスコミ世論調査で7割を超えていることを組織委はもっと真摯に受け止めるべきだ。(編集担当:森高龍二)