アフターコロナを見据えた動きがレジャー業界で活発化。新しい「リゾート」が続々と誕生予定

2021年05月23日 09:49

テントエリア

2022年3月には、福岡県福岡市の「海の中道海浜公園」に宿泊やアクティビティの機能を備えた「滞在型レクリエーション拠点」が誕生する

 3度目の緊急事態宣言の延長を決定した日本政府は5月16日、当初の東京、大阪、兵庫、京都、福岡、愛知の6都府県に北海道、岡山県、広島県を加えた9都道府県に対象地域を拡大し、23日より沖縄県も追加され10都道県になった。また、東京都では翌17日、酒類の提供を続けている飲食店33店舗に休業を命令するなど、影響が広がっている。また、7月には東京五輪の開催も控えている。菅政権にとっては正念場となりそうだ。

 各メディアの報道でもネガティブな話題ばかりが目立つが、ワクチンの接種が本格的に進み始めたこともあってか、コロナ後を見据えたポジティブな動きも増え始めている。とくに、レジャー関連が活発だ。

 3密を避けて、広大な自然の中で楽しむレジャーとしてアウトドアやキャンプの人気が高い。例えばアメリカンスタイルのキャンプ場を運営するエバーグレイズは4月に、同社の2箇所目となる「エバーグレイズ琵琶湖」を滋賀県大津市の琵琶湖国定公園内に開業した。琵琶湖畔に面して独立型のコテージには、カヌーや子ども向け遊具、ドッグランが付いているなど特徴があるものが多い。コテージの敷地でBBQを楽しめるプランもあり、テント設営や食事の準備などの煩わしさから旅行者を解放した「良い所取りの自然体験」で心置きなくグランピングを楽しむことができる。

 また、2022年3月には、福岡県福岡市の「海の中道海浜公園」に宿泊やアクティビティの機能を備えた「滞在型レクリエーション拠点」が誕生する。この事業は、国土交通省九州地方整備局がPark-PFIを活用して公募した「海の中道海浜公園官民連携推進事業」で、開業すると日本初となる予定だ。

 Park-PFIとは、平成29年の都市公園法改正により創設された「公募設置管理制度」のことで、飲食店、売店等の公園利用者の利便向上を目的に、公園とその周辺の園路、広場等の管理運営等を行う事業者を一般から募集し選定する。本事業は公募によって選定された三菱地所株式会社が代表企業となり、構成団員として、宿泊施設「ヴィラ」1棟2室の設計と施工を積水ハウス株式会社、施設運営と公園管理を一般財団法人公園財団、 企画・設計・宿泊施設運営を株式会社オープン・エーが担当する。

 Park-PFIを活用した本事業は、複合開発やエリアマネジメントの実績が豊富な三菱地所を筆頭に、積水ハウスなどトップブランドが集結して計画を進めている。「パーク・ツーリズム」をテーマにした園内には、現在発表されている計画内容だけでも、球体テントや博多湾を一望できるヴィラ、ロマンチックなシーサイドキャビンなど、高級リゾート顔負けの宿泊施設が立ち並ぶ他、宿泊者以外でも利用可能な浴場施設やバーベキュースペース、そして人気のアスレチックタワーや“海の中道”を堪能するホーストレッキング、博多湾の海上で楽しむSUP、カヤック、さらには博多湾をのぞむ広大なパノラマ空間を利用して、ヨガ、ノルディックウォークなどのアウトドアフィットネスなどのアクティビティも豊富に用意されている。

 ワクチン接種により日常を取り戻しつつある諸外国のように、日本もワクチン接種の進展で一日も早く明るい生活が戻ってくることを期待したい。この苦難の時期を乗り越えた暁には、笑顔でレジャーに繰り出したいものだ。(編集担当:藤原伊織)