アフターコロナ自動車産業。企業の回復見通し。中国は21年度中。世界は22年度。中国が牽引

2020年12月17日 06:22

画・アフターコロナ自動車産業。企業の回復見通し。中国は21年度中。世界は22年度。中国が牽引。

矢野経済研究所が「アフターコロナの自動車産業に関する法人アンケート調査」。2020年は96.6%がマイナス成長を予想

 新型コロナウイルス感染症パンデミックの影響で世界の自動車市場は停滞しているものの回復の兆しも見られ、特に経済の回復基調が報告されている中国では、一足早く自動車市場の回復となりそうだ。こうした傾向からアフターコロナの世界の自動車産業は中国に牽引された成長となりそうだ。

 これについて、矢野経済研究所が8月から9月に「アフターコロナの自動車産業」に関する法人アンケート調査を自動車メーカー、関連部品メーカー等を対象に実施し、その集計結果を8日に公表している。

 これによれば、2020年における新車販売台数への影響は、世界全体においては「とても減少」が45.4%、「やや減少」51.2%となっており、回答者の96.6%がマイナス成長を予想している結果となっている。21年の見込みでは、「とても減少」が36.1ポイント下がり9.3%、「やや減少」が2.9ポイント下がり48.3%になり、「やや増加」は20.5%に上昇している。

 21年市場の回復については、中国の回復の影響が大きく、21年の「やや増加」と回答した比率は42.9%となり、「とても減少」「やや減少」を合わせた25.9%を上回っている。一方、日本、西欧、中東欧・ロシア、南米については「とても減少」「やや減少」の回答比率の合計は60%近くを占めており、21年も厳しい状況が続くと予想されている。

 回復時期の予想については、世界全体では「22年」が45.4%を占めており最も多く、「21年」は23.9%、「23年」は19.0%となっており、世界全体としては「22年」回復が見込まれているようだ。地域別にみると、中国の「20年後半」が32.7%と最も早く、「21年」は38.0%となっており、中国の早期回復が見込まれている。米国も「21年」が31.7%と多くなっており、こうした見込みから、21年以降は中国と米国が新車販売台数を牽引することが見込まれる。

 一方、ASEANやインド、感染拡大が収まらない西欧、南米については「22年」とする回答が40%前後を占めている。日本については「22年」が41.0%、「21年」は25.9%となっており、世界全体と同じく回復は「22年」と見込まれる。

 CASEにおける注目技術について複数回答で聞いたところ、上位3つは、5G、センサー、OTAとなった。アフターコロナの自動車市場は中国市場に牽引された新たなテクノロジーによる市場成長となりそうだ。(編集担当:久保田雄城)