LGBTへの理解促進を求める「LGBT法案」の扱いに対して、自民党幹部の中から、国会の日程上、今国会では無理などとする声が出ていることに立憲民主党の枝野幸男代表は31日の記者会見で「今、国会にかかっていないさまざまな議員立法を『全部無理』と諦めるつもりなのか。LGBT法案だけ国会日程のせいにするなら、まさに恣意的と言わざるを得ない」と批判した。
そのうえで「国会審議のあり方、あるいは会期延長などについて、柔軟に協議に応じて、なんとかこの国会中に成立させたい」と述べた。
また枝野氏は「LGBTに対する差別をしてはいけない』ということは、オリンピックの理念の一つと考えられる。五輪主催国として開催前に法整備を行っておかなければならないというのが、与野党一致した共通の考え方だ」と強調。
枝野氏は「IOCからわが国に課せられた一つの責務と考えている。IOCの幹部と称する人の暴言を放置する一方で、IOCとして各国に迫ってきたまっとうな要請にこたえないというのは何なのだということも強く申し上げておきたい」と釘を刺した。
日本共産党の小池晃書記局長も「会期は2週間程度残っている。議員連盟として各党が一致し法案を確認している以上、十分審議のうえ成立させる時間はある」と今国会成立を図るべきだとした。
自民党内でも弁護士の稲田朋美元防衛大臣(衆院議員)など理解を促す法の制定を急ぐ必要性を理解している党内賛成派は多数いる。稲田氏は29日のツイッターで「全党合意のLGBT理解増進法案の内容は自民党で了承された。総務会では内閣委員会で審議するのが日程上難しいとして、三役預かりになったが、私はまだ諦めていない。国会はまだ2週間以上ある。与野党で審議し、今国会で成立させたい」と発信している。
一方で、自民党議員の中には「種の保存に反する」などといった趣旨の発言をする認識の議員も存在している。(編集担当:森高龍二)