ダイバーシティの認知度3割。「この考え方は大切」95%、自社での取組14%

2019年01月25日 06:34

画・ダイバーシティの認知度3割。「この考え方は大切」95%、自社での取組14%。

エン・ジャパンが「ダイバーシティ」についてアンケートを実施。ダイバーシティの認知度30%。ダイバーシティの考え方について「大事だと思う」95%。一方「自社は積極的に取り込んでいる」は14%のみ。

 「ダイバーシティ(多様性)」や「揺らぎ」、「個性」という言葉は古くから使われていた言葉だ。これらの言葉は自由競争の正当性を根拠付ける言葉でもあるが、日本をはじめとする先進国においては規模の経済性に基づく大量生産性の時代からハイテク機械による小ロット生産が可能となり市場の細分化が拡大した時代に普及していったマーケティング用語であるとも言える。

 近年ではグローバル化に関連しダイバーシティという言葉が用いられることも多い。日本でこの言葉が多少有名になったのは、ある国会議員の生産性発言であると思う。「LGBTの人達は生産性がない」と多様性を否定し1つのモノサシで人格を評価する表現が多くの国民に不快感を与えたようだ。

 エン・ジャパンが昨年の11・12月に自社のサイト上で1万2189人のユーザーを対象に「ダイバーシティについてアンケート」を実施し、今月その集計結果を公表した。

 集計結果によると、「ダイバーシティ」という言葉の認知度については、「言葉もその意味も知っている」が30%、最も多いのが「聞いたことはあるが意味はよく知らない」の51%、「知らない」が19%であった。

 ダイバーシティとは「女性・シニア・外国人・障がい者・LGBTなど多様性を受け入れ、広く人材を活用することで生産性の向上や市場の多様なニーズに対応しようという考え方」であると伝えた上で「この考え方は重要か」と質問したところ、「大事だと思う」と回答した者の割合は95%で、「大事だと思わない」が3%、「その他」が2%であった。ほとんどの者が上記のダイバーシティの考え方に肯定的だ。

 「大事だと思う」と答えた者にその理由を聞くと、「多様な視点を商品・サービス開発に活かすため」が57%で最も多く、「優秀な人材の確保のため」が47%、「社会的マイノリティに対する就業機会拡大のため」が39%の順に多くなっている。労働力人口の絶対数の減少を挙げている者もいるが、多数派は量よりも多様な人材の確保という質を重視しているようだ。

 「自社がダイバーシティに積極的に取り組んでいると感じるか」という質問に関しては「取り組んでいる」は14%にとどまった。取り組みの内容については、「女性の採用・活躍支援」が51%で最も多く、「LGBT」は4%にとどまった。

 調査に協力した40代男性は「良い影響も多い半面、管理面や評価面でのトラブルは起こりそう。中長期的な目線で慣れていったほうがいいと思う」とコメントしている。(編集担当:久保田雄城)