日本人の投資のイメージは「ギャンブル」45%。IFA(投資アドバイザー)でネガティブ・イメージは変わるか

2021年06月02日 06:56

画・日本人の投資のイメージは「ギャンブル」45%。IFA(投資アドバイザー)でネガティブ・イメージは変わるか。

Fanが投資に関するイメージ等を調査。一般の投資に対するイメージ1位は「ギャンブル」が45%。IFA(投資アドバイザー)経験者では「コツコツ」型が29%

 日本の金融市場は戦後復興政策の過程で銀行中心の状態にあった。1980年代に金融自由化により株式など直接金融市場の育成が政策課題となったが、その後40年以上が経過しても国民の金融投資への関心は低いままだ。日本の個人金融資産は約2000兆円存在するが、50%超が現金・預金で、年金・保険が3割弱、株式等の投資性金融資産は15%ほどである。政府は年金逼迫から国民の資産形成を推進したいと考えてきたが期待通りには進んでいない。その背景には国民の金融機関に対する信頼度の低さもある。

 19年の金融庁の「リスク性金融商品販売にかかる顧客意識調査」を見ると「必要ないものを勧められる」50%、「売りたい商品を勧められる」39%などと回答し金融機関には相談しないと答えている。金融機関は投資家利益を考えてくれないと感じている者が少なくないようだ。04年に「貯蓄から投資へ」をスローガンに、IFA(金融証券仲介業)が解禁となったが、金融機関に属さず中立的立場から資産運用のアドバイスを行うのがIFAであり、これによって国民の投資を促進するのが狙いだ。しかし、いまだに投資に関するネガティブ・イメージは国民間に根強い。

 富山県に本社を置くIFAのFanが今年3月に20~70代の男女1341名を対象に「投資に関するイメージ調査」を実施し、その集計結果を5月14日に公表している。1341名の内393名がIFA相談の経験者で948が経験の無い一般の者だ。

 「投資のイメージ」について聞いた結果では、一般の者では「ギャンブルのような怖さ」が45%と最も高く、次いで「専門性の高い難しさ」22%とネガティブなイメージが多くなっている。これに対して、IFAへの相談経験者では「コツコツとした堅実さ」が29%で最も多く、次いで「未来に対する期待感」22%といったポジティブなイメージが上位になった。「興味のある投資」については、一般の者で「株式」が49%、「つみたてNISA」26%、「投資信託」25%、IFA経験者では「株式」63%が、「投資信託」56%、「つみたてNISA」37%の順だ。両者とも上位3つは同じだが、IFA経験者の方が「株式」、「投資信託」に積極的なようだ。

 レポートでは「適切な相談相手の存在が不安を解消するための選択肢となることがわかった」と指摘している。金融機関から独立した投資アドバイザーであるIFAの活躍で今後国民が投資に向かうかどうか注目される。(編集担当:久保田雄城)