2021年6月6日、FIA世界ラリー選手権(WRC)第5戦ラリー・イタリア・サルディニアの最終日が、伊サルディニア島の北部で行なわれ、TOYOTA GAZOO Racing World Rally Teamのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC 1号車)が優勝、エルフィン・エバンス/スコット・マーティン組(33号車)が総合2位に入り、チームは今シーズン3回目の1~2フィニッシュを飾り、マニュファクチャラー選手権首位の座を守った。
また、カッレ・ロバンペラ/ヨンネ・ハルットゥネン組 (69号車)は総合25位で完走。TOYOTA GAZOO Racing WRCチャレンジプログラムにより、ヤリスWRCで出場の勝田貴元/ダニエル・バリット組(18号車)は、前戦に続き総合4位でラリーを終え、ポイントを獲得し、トップ4に3台のヤリスWRCが入った。
ラリー・イタリアの競技3日最終日はサービスパークの北側、島の北端エリアで2本のステージを各2回走行。4本のステージの合計距離は46.08kmと、3日間で最短。天気は曇りで最終ステージでは一時的に小雨だったものの、路面は概ねドライコンディション。タイヤ選択は選手ごとに異なり、ヤリスWRCについても4台全てが異なるタイヤチョイスして最終日に臨んだ。
前日のデイ2で首位に立ち、総合2位のエバンスに38.9秒という大きな差を築いていたオジエは、ボーナスポイントがかかる最終のパワーステージに焦点を合わせ、そこまでの3ステージはやや抑え気味のペースで走りタイヤを温存。そして、パワーステージでは4番手タイムを記録し、今シーズン3回目の優勝を飾ると共に、ボーナスの2ポイントを獲得。ドライバー選手権では2位エバンスに対するリードを11ポイントに拡大し、選手権リーダーの座を死守した。
オジエのサルディニアでの優勝は2015年以来で、通算4回目。また、チームにとっては初めてのサルディニア制覇であった。
総合2位でラリーを終えたエバンスは、オープニングのSS17でベストタイムを記録。さらに、SS19でもベストタイムを刻み、総合3位のライバルに対するリードを37.5秒に拡大。そして迎えた最終のパワーステージでは、ウォータースプラッシュで水がエンジンに吸い込まれて一時的にスローダウンしたが、それまでに築いていた総合3位のライバルに対する大きなリードにも助けられ、今シーズン3回目の総合2位を獲得。ドライバー選手権2位を堅守した。
また、チームは今シーズン開幕からの5戦で4勝し、そのうち3戦で1-2フィニッシュを達成、好調を維持。マニュファクチャラー選手権首位を守り、2位のライバル、チーム・ヒュンダイに対するリードを49ポイントに拡大した。
また、勝田はコ・ドライバーのダニエル・バリットが高い気温によって熱中症気味になったものの、最終日は総合4位の座をしっかり守ることを優先して走行。前戦のラリー・ポルトガルに続きWRC自己最高記録の総合4位でフィニッシュ。開幕から5戦連続でポイントを獲得してドライバー選手権5位に順位を上げた。
WRC次戦は、6月24日から27日にかけて、アフリカのケニアで開催される「サファリ・ラリー」だ。伝統のラリー「サファリ」が最後にWRCとして開催されたのは2002年で、19年ぶりにWRCのカレンダーに復帰する。(編集担当:吉田恒)