新生銀行が「2021年サラリーマンのお小遣い調査」。男性会社員のお小遣い額は昨年比減の3万8710円、女性は微増の3万4398円。1カ月の飲み代は男性1万3229円、女性9707円とともに昨年から増加
日本の賃金は名目、実質ともに1990年代後半から下がり続けている。2012年以降は大規模金融緩和による消費者物価の上昇で実質賃金の落ち込みも大きくなっている。消費税率の上昇もあり家計は苦しくなるばかりだが、勤労者が自分の為に使う小遣いはどうなっているだろう。
新生銀行が79年から「サラリーマンのお小遣い調査」を毎年実施しているが、この2021年版が6月29日に公表された。この調査は今年4月に会社員(正社員・契約社員・派遣社員)2094名、パート・アルバイト624名を対象にインターネットを通じて行われたものだ。これによれば、会社員の毎月の平均お小遣い額は、男性が3万8710円で前年より709円の減少となった。2010年以降は大きな変化は見られず、今年は微減だ。一方、女性会社員は3万4398円で、前年より544円増加しているが、こちらも15年から大きな変動はなく、ほぼ横ばいのようだ。
年代別でみると、男性の20代が4万5581円で前年から増加、30代が4万710円で増加、40代が3万3205円で減少、50代3万5674で減少となっており、女性では20代が3万7589円で減少、30代4万276円増加、40代3万2086円増加、50代2万7907円で微減だ。20代、40代女性を除くと全体として若い世代で増加、高い年代で減少という印象だ。既婚・未婚別で見ると、男性では「未婚」が4万5969円と平均を大きく上回っているのに対して、「既婚・子どもあり」では共働き世帯でも3万1837円と平均を大きく下回っている。子どもの有無が小遣いの額に大きく影響しているのがわかる。
コロナ禍のこの一年間で「小遣い額に変化があったか」という問いには、男性では「変化なし」が80.4%となっている。「アップした」は6.4%、「ダウンした」13.3%で、ダウンの割合がやや多い。女性でも「変化なし」が78.3%と約8割で、「ダウンした」が17.6%と男性の13.3%よりやや高めだ。
外出自粛の1年であったが1カ月の外での「飲み代」について聞いた結果では、男性では1回あたりの飲み代は6159円、1カ月の飲み代は1万3229円となり、前年比1609円の増加となっている。女性では1回あたり5357円で、1ヵ月の飲み代は前年比1252円増の9707円と、やはり増加している。外出自粛と飲食店でのアルコール提供の規制が続く中、「飲み代」の増加は意外な感じもするが、1回当たりの飲み代が増加したのかもしれない。(編集担当:久保田雄城)