野田佳彦元総理は16日、自身のHP「かわら版」で、コロナ対策への「予算規模の積み上げより、迅速な予算執行に努めるべきだ」と選挙を意識した予算規模増大より、本来給付されるべきものが手続きの煩雑さなどで遅れている状況の改善を図り、実効性のある対応を急げと政府に求めた。
野田氏は「2020年度の国の予算は新型コロナウイルス感染症対策のために3回補正を組み、過去最大の175兆円超まで膨らんだ。その約30兆円超が年度内に使い切れず、21年度に繰り越された。政府・与党は規模ありきで予算を編成し、政策の吟味が不十分だった」ことをうかがわせる結果になっていることを指摘。
そのうえで「コロナ対策の第1次~第3次の補正予算合計約73兆円に限ると、概算で3割弱の20兆円程度を使い残した。巨額予算を盛んにアピールしてきたが、国民や事業者に必要な支援が届いていなかったことを示している」と提起。観光支援事業の「GoToトラベル」で1兆3353億円が塩漬けになっていることに関しても「支出を進めるべきでない予算も散見される」と記した。
野田氏は「既存の予算が支援の必要な人や現場に直ちに届くようにすることこそ先決」とし「精査しないで規模だけ積み上げる愚を繰り返してはなりません」と釘を刺した。(編集担当:森高龍二)