勧誘に桜招待状も利用の元会長、起訴内容認める

2021年09月24日 06:31

磁器健康器具の販売預託商法で顧客から1億6500万円を騙し取ったとして詐欺罪に問われているジャパンライフの元会長、山口隆祥被告が東京地裁で開かれた22日の初公判で起訴内容を「全部認めます」と認めた。当初から詐欺を目的にしていたものではないとも述べた。

 今回の容疑は2017年7月~12月に顧客23人から約1億6500万円を詐取した罪だが、ジャパンライフは2010年に債務超過に陥って後も操業を続け、全国44都道府県の延べ約1万人から2000億円を超えて集めたとされている。

 その顧客勧誘に安倍晋三総理の下で開かれた「桜を見る会」の招待状が使われたことは「勧誘時に招待状を見せられ信用してしまった」という被害者の発言からも裏付けられている。

 ジャパンライフは2014年に行政指導を受け、15年には家宅捜索も受けていたが、その事業所会長の山口氏をだれが、どのような理由で桜を見る会に招待したのか。立憲、共産など野党は招待に対する受付票に記された「60―2357」との数字から「安倍総理(当時)の推薦枠で招待されたのではないか」として、事実関係を調べるよう昨年、菅義偉総理に調査を求めたが、政府は「招待状の名簿は保管されていない」などとして逃げたままになっている。(編集担当:森高龍二)