菅義偉総理は28日の記者会見でコロナ対策の審議を求めて立憲・共産・社民など野党が臨時国会召集を憲法53条に基づいて7月16日に要求したにも関わらず、10月4日まで召集しなかったことに関し、専門家から憲法違反との指摘が出ているが、と問われ「そこはないと聞いています」と内閣法制局の解釈なのか、誰の話なのかの根拠を示さず、また、自らの見解も示さず「憲法違反ではないと聞いている」と答えた。
臨時国会召集に関して、菅総理は「召集については政府が決めるが、党と相談しながら様々な政治日程の中で相談して決めさせていただいている。そういう中で10月4日の召集を決定している」と述べた。
また「コロナ対応については閉会中審査をかなりやっていることも事実だと思っている。そういう中で政府の対策を野党の人に答えている、そういうことで配慮しながら行っている」と述べた。
憲法53条後段は「いずれかの議院の総議員の4分の1以上の要求があれば、内閣は、その召集を決定しなければならない」と義務づけている。
自民党は憲法改正案で「要求のあった日から20日以内に臨時国会が召集されなければならない」と規定しており、安倍政権(2017年に野党から要求があってから98日間召集せず、召集冒頭に審議入りを逃れる冒頭解散を行った)菅政権ともに、自党の改正案と整合性がとれない行動をとっている。
2017年に臨時国会要求から98日間召集しなかったことを巡っては裁判が起こされており、元最高裁判事の浜田邦夫弁護士は「臨時会召集の求めがあった日から原則30日以内。天変地異など臨時会など開催が困難な社会情勢でも最長45日以内には召集され、国会が開催されなければならない」との見解を示し「明白に違憲」との意見書を裁判所に提出している。(編集担当:森高龍二)