11月には衆議院選挙が行われる予定だ。長期化するコロナ禍で、相次ぐ緊急事態宣言等の発出や感染者数が急拡大する中でのオリンピックの強行など、国民の政権に対する信頼は大きく失墜し、菅政権の支持率も調査機関によっては3割を切る低水準にまで落ち込んだ。この状況で11月の衆院選は自民党の大敗が大方の予測であったが、岸田文雄新総裁の誕生や感染の落ち着き等で選挙結果は不透明感を増したともいえる。この状況を現在の若者はどのように感じているのであろうか。
日本財団が今年8月12日から16日に、10月末日で18歳を迎える全国の17歳から19歳の男女916名を対象に「第41回18歳意識調査」を実施、今回のテーマは「国政選挙」についてであるが、これを集計した「調査報告書」を9月30日に公表している。これによれば、衆院選への投票意向について、「投票する」が28.8%、「たぶん投票する」が26.4%で、両者を合わせると55.2%が「投票する」意向のようだ。この他、「どちらともいえない」が22.5%、「たぶん投票しない」12.7%、「投票しない」9.6%で、「投票しない」意向は合わせて22.3%だ。「投票しない・多分投票しない」理由については、「面倒だから」51.0%が半数と突出して多くなっている。
衆院選での関心事について10段階で優先度を設定した平均点では、「保健衛生(新型コロナウイルス等の感染症、ワクチン、保健所など)」が6.52点でトップ、次いで、「経済成長と雇用(失業率、ブラック企業、働き方改革など)」が6.30点、「子育て・少子化(出生率、育休・産休、保育園、補助金など)」が6.25点で3位になっている。男女別には差があり、「保健衛生」が男女ともにトップだが、女性では「子育て・少子化」が6.21点で2位、「子どもの権利・保護」が6.13点で3位となっているのに対し、男性の2位は「経済と雇用」6.48点、3位が「災害対策・復興」6.41点となっている。「子育て・少子化」は男性では6.29点で5位だ。
「選挙への関心や投票意欲が高まると思う施策」について聞いた結果では、「投票がスマートフォンやパソコンで行えるようになる」が64.1%と突出して多くなっている。少なくない者が「面倒」を理由に「投票しない」意向を示している。若者達が考えるようにネット投票によって投票率が上がる可能性は大きい。(編集担当:久保田雄城)