党内人事に色濃い『変われない自民党』

2021年10月03日 09:30

 自民党の岸田文雄総裁の下での党内人事。公文書の改ざん・隠ぺい・廃棄に加え、総理による国会での虚偽答弁、国民への説明責任回避を続けた安倍内閣・菅内閣の9年から「生まれ変わった自民党を国民にしっかり示す」と強調した岸田氏だが、最もその性格を象徴する人事は安倍・麻生路線を引き継ぐどころか、より強くした『変われない自民党』人事になった。

 自民党幹事長にURを巡る口利き疑惑に説明責任も果たさない麻生派幹部の甘利明税制調査会長を就かせるほか、選択的夫婦別姓制度に真っ向反対、防衛では敵基地攻撃能力保有を是とするタカ派の高市早苗元総務大臣を党政調会長の要職に就ける。

 森友問題で再調査を拒否する麻生太郎副総理を「党副総裁」に。組閣では官房長官に細田派事務総長の松野博一元文科大臣を起用する方針とされる。

 党改革に取り組むささやかな可能性は衆院議員90人でつくる「党風一新の会」会長の福田達夫衆院議員(細田派)を党総務会長に充てたくらいだ。4日の国会での首班指名選挙で総理に就任する岸田氏が、どこまで安倍・麻生ラインから自身のカラーを打ち出す組閣を行えるか、自民3A(安倍・麻生・甘利)に振り回される組閣であれば、国民の期待からは大きく外れた新内閣になりそうだ。(編集担当:森高龍二)