立憲民主党の辻元きよみ副代表は11日午後の衆院本会議代表質問に、森友学園への国有地払い下げをめぐり公文書を書き換えさせられたとして、書き換え後に自殺した元近畿財務局職員赤木俊夫さんの妻・雅子さんが、この問題についての再調査を岸田文雄総理に手紙で直接要請したことに関し、手紙全文を国会で読み上げるとともに、岸田総理に対応を求める。
本会議でのやり取りはNHKで中継がある。辻元氏の質問時間は午後3時35分前後から。辻元氏はツイッターで「岸田総理に代表質問します。『正しいことが正しいといえない社会はおかしい』亡くなられた赤木さんの妻・雅子さんの思いも届けます。25分間です」と発信した。
森友問題を一貫して取材し、発信し続けている元NHK記者でフリージャーナリストの相澤冬樹氏は雅子さんが総理に送付した手紙をネット上で紹介。「夫の死は公務災害が認められたので、職場に原因があることに間違いありません。(財務省報告書には)夫が改ざんを苦に亡くなったことは書かれていません。なぜ、書いてないのですか」と調査報告に記載しなかった理由の説明を求めている。
また「(夫は)改ざんはやるべきでない、と本省に訴えています。どのように返事があったのか、まだわかっていません」と本省がどう対応したのか調査してほしいと求めている。
また「第三者による再調査で真相をあきらかにしてください」と利害関係のない機関・人らでの再調査を求めている。
公文書改ざんでは、当時、総理だった安倍晋三衆院議員の妻・昭恵氏の名前が文書から削除される行為もあった。岸田総理が遺族の声にどう答えるのか注目される。
ただ、岸田総理は8日、雅子さんからの手紙を受け取ったとしたうえで、記者団には「読みました。しっかり受け止めさせていただきたいと思います」と言ったが「現在、民事訴訟のプロセスの中にある。このプロセスの中で裁判所の訴訟指揮の下に、財務省として丁寧に対応するということについて財務省にしっかりと指示を出したということ」と語るにとどまり、再調査要請に対しての答えはなかった。
岸田総理は自民党総裁選挙で森友問題の再調査をうかがわせたが、安倍氏に会い、舌の根の乾かぬ内に「再調査はしない」と転換。総裁選挙で強調してきたことが金融所得課税の見直しに触ることはないとした転換も含め、次々、後退し続けている。(編集担当:森高龍二)