GM、「収益倍増計画」を発表。工場の5割超をEV生産、再エネ100%調達を2025年に実現などで利益率向上

2021年10月17日 09:02

画・GM、「収益倍増計画」を発表。工場の5割超をEV生産、再エネ100%調達を2025年に実現などで利益率向上。

GMが今後10年の成長戦略を発表。2030年までに年間収益を倍増へ。北米・中国の工場の50%以上をEV生産にし、EV市場シェアのリーダーに、再エネ100%調達を25年までに実現などで利益率向上へ。

 欧米中など先進国・主要産業国では新型コロナのワクチン接種普及も進み、経済活動の正常化が徐々に進展しており、ポストコロナに向けた投資が一斉に動き出している。既にコロナ禍の2020年から欧州を中心に世界の自動車市場ではxEVへの急激なシフトがみられ、脱炭素化、脱内燃車の動きが加速している。SDGsなどの背景もあり欧米中を中心に主要各国ではEVシフトへの支援策や脱内燃車に向けた規制を強めている。当然、世界の自動車市場の構造は大きく変容していくことになるが、自動車メーカーもポストコロナに向けた新たな長期的戦略が必要となってくる。

 10月6日、米国の自動車メーカーの大手、GM(ゼネラルモーターズ)が今後10年の成長戦略について発表した。GMは6日、7日に米国で開催された投資家向けイベントで、EV化と自動化を柱に利益率を向上させ「2030年までに年間収益を倍増」する成長アプローチを主要な財務資料とともに公開している。GMはすでに25年までにEVおよびAV(電動自立走行車)に350億ドルを投資し30車種以上の新型EVを世界市場に投入し、米国におけるEV市場シェアでリーダーになることを目指す計画を発表している。

 EV化による成長の原動力は自社開発したモジュール式EVプラットフォーム「アルティウム」で、共通化した拡張可能なバッテリーパックを使用し幅広いEVポートフォリオを実現する。また、デジタルサービスを拡大し「アルティウム」に「アルティファイ」を加えたGMのデュアルプラットフォーム戦略を展開、ソフトウェアで定義された機能やアプリ、サービスなどを顧客に無線通信で頻繁かつシームレスに配信可能とする。また、次世代運転支援システム「ウルトラ・クルーズ」をはじめとする新規事業の取り組みとテクノロジーを進化させ自立走行車の商用化に取り組んで行く。

 生産体制については、30年までに北米と中国の工場の50%以上をEV生産可能にするなど、EV生産へのシフトを急速に拡大していく計画だ。さらに、米国の施設における再生可能エネルギー調達を100%にする計画を5年前倒しし25年までに実現する計画に変更するなど、持続可能な開発に適用する新たな戦略を前倒しで進めるようだ。

 パンデミックで世界の自動車市場は一時的に停滞したものの、欧米中など主要国で脱炭素化に向けた規制も強化されており、コロナ禍で新たな時代に向けた先行投資は既に動き出しているようだ。(編集担当:久保田雄城)