文通費是正と政党助成金と企業献金の再検証必要

2021年11月17日 06:20

 1か月のうち1日でも国会議員の身分で1か月分の文書通信交通滞在費(文通費、100万円)が支給される規定になっている歳費法の欠陥を見直し、日割り計算にするよう求める声が強まっている。

 一方、この問題と合わせて、改めて関心を集めているのが、国民1人あたり250円の算出計算で総額を決め、国会議員数などに応じ各政党に配分して支給される「政党交付金(政党助成金)」。の在り方。毎年300億円を超える額が政党の申請に基づいて支給されている。

 国会議員の報酬が高いと言われているが、年間に支払われる額は国会議員の報酬総額の2倍に上る額。

 この制度は政治をゆがめる温床になっている企業団体からの献金をなくす(廃止・禁止する)代わりにと設けられた制度。しかし現況は事実上の二重取りの状態。国民からすれば税金原資の政党交付金を継続するなら企業団体献金は完全封鎖した制度設計で、制度本来の目的を実効性のあるものにするか、それができないのなら、政党交付金を廃止。制度施行からこれまでの経緯を検証し、あり方を政治の俎上に載せ、議論することが必要になっている。

 日本共産党の前参院議員・辰巳孝太郎氏はツイッターで「佐川急便事件、リクルート事件などで金券汚職が広がり、企業団体献金はおかしいということで政党助成金を、共産党以外の人がつくった。企業団体献金をなくすことを前提にしているわけなんです。だけで、それがなくなっていない。二重取りそのものがまちがっている。そもそも政治をカネで歪める企業団体献金やめる約束で政党助成金は導入されたんだよね。約束は反故にされ、2重取りが続いている」と問題提起。

 日本共産党は、政党助成金は国民の支持政党に関わりなく政党が税金を山分けしているとして、国民の思想・信条を侵し、政党の堕落をもたらすとして廃止を主張。一切受け取っていない。「政治とカネ」の問題。文通費の是正とともに、政党助成金と企業団体献金の問題を検証すべき時期にきている。(編集担当:森高龍二)