政府不信感と必要性なさがネック マイナカード

2021年11月24日 06:42

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総務省がマイナンバーカードの普及に1兆8000億円を補正予算案に盛り込み、臨時国会での成立を目指す

 総務省がマイナンバーカードの普及に1兆8000億円を補正予算案に盛り込み、臨時国会での成立を目指す。マイナンバーカードの普及にこれまでにも相当な額が投じられてきた。それでも普及しない最大理由は日常生活でカードの必要性のなさと政府への強い不信感。政府による個人情報管理への不信とプライバシー侵害への不安など、こうした不信感や不安に対する安全策の担保が明確に示されていないことによる。

 マイナンバーの柱となるデジタル庁職員約600人のうち約200人が民間企業の社員であることも不安材料の一つ。

 そのうえ、今回、岸田内閣はカード普及のために、カード取得をすれば5000円分のポイント、健康保険証と紐づければ7500円分のポイント、預貯金口座と紐づければ7500円分のポイントと、最大2万円分のポイントを給付するという国民をバカにした「金で釣る」普及策を打ち出している。「経済対策にマイナンバーカードの普及策を紐づけするな」との声もある。

 日本共産党の志位和夫委員長は、このようなやり方は「お金が欲しければ個人情報を出せというやり方だ」と問題提起している。ネット上では「岸田首相、マイナンバーカード取得し健康保険証登録、金融機関口座連携完了している状態を見せてください」との声も。

 また「厚生労働省、財務省の国家公務員の皆さんとっくに100%取得されているんでしょうね。マイナンバーカード導入時に取得した人より、何もしないで政府に尻叩かれ取得した人達が給付金貰えるなんか、おかしいでしょう」

 「1人2万円で個人情報を売ったと同じ事だが、クレジットカードの様に利用明細の通知が無いのが問題となる。一般国民はそこまで考えないだろうが、資産化や政治家は恐らく作らない。各省庁の情報とリンクされると免許証・健康保険証とデータが繋がれば個人情報の価値は上がる」

 「マイナンバーカードが便利だと感じればわざわざ普及活動に1.8兆円掛けなくてもおのずとマイナンバー取得するでしょうから、しばらくは現行の保険証類と併用する形でいいのでは」と今回の普及策に関して、評価できないとする声が大半のよう。(編集担当:森高龍二)