マツダのラージ商品群、基本骨格はフロントエンジン+後輪駆動

2022年01月07日 06:40

MAZDA 6

現行の「MAZD 6」(写真)はエンジン横置きのFFセダンだが、今年デビューする新型モデルは大きなリニューアルを受けて基本的な車両骨格が変更される。直列6気筒エンジンを縦置き、後輪を駆動する大型FRサルーンに大変身する。

 マツダの新製品ラインアップへの移行が今年2022年、本格的な展開が実施されそうだ。そのなかで重要なポジションを担うのが、ラージ商品群と呼ぶ製品ラインアップだ。

 新しい商品として2019年の「東京モーターショー」でも暗に提示していたように、直列6気筒エンジンをフロントに縦置きするレイアウトとなる商品ラインアップだ。その第一弾が2022年にデビューする。次期「MAZDA 6」である。

 2021年10月7日にマツダは、2022年以降のクロスオーバーSUVの商品計画を発表した。2022年から2023年にかけて新型車5車種を世界の仕向け地向けに異なるパワートレーンを投入する予定だ。

 その一環として、マツダの北米事業を統括する「マツダノースアメリカンオペレーションズ」(Mazda North American Operations)は北米向けクロスオーバーSUV「MAZDA CX-50」を11月16日に初公開した。

 CX-50は、マツダにとって重要市場である米国におけるビジネスを支える基幹車種として、SUVらしい存在感やオフロード性能を求める米国を中心とした消費者ニーズを取り込み、北米のラインナップに新たに追加するクロスオーバーSUVだ。米国アラバマ州に建設したトヨタ自動車との合弁新工場「Mazda Toyota Manufacturing, U.S.A., Inc. (MTMUS)」にて2022年1月より生産を開始する初のマツダ車だ。

 この新工場ではハイブリッドSKTACTIVE-Xやプラグインハイブリッド、ディーゼルエンジンのSKYACTIVE-Dなどを揃える。

 ところで新型「MAZDA 6」は、その商品コンセプトをメルセデスCクラスやBMW3シリーズを仮想ターゲットにしたクーペライクなプレミアムサルーンを目指す製品だ。これからのMAZDAのブランディングの重要なポジションを担う

 国内向けの中心ユニットは、直列4気筒のガソリンエンジンとモーターを組み合わせたプラグインハイブリッド車(PHEV)、直列6気筒のガソリンエンジンの「SKYACTIV-X」やクリーンディーゼル「SKYACTIV-D」とモーターを組み合わせた48Vのマイルドハイブリッド車(MHEV)で構成する。北米では、ターボチャージャー搭載の直列6気筒ガソリンエンジンやPHEVを投入する。

 ドライバビリティという側面では、2021年12月に発表したロードスターの2022年モデルに搭載した、コーナリングの際にリヤ内側を制動して旋回姿勢を安定させる「キネマティック・ポスチャー・コントロール(KPC)」を採用するなど、FR車チューンのノウハウが存分に投入される。

 また、ロータリーエンジン(RE)を発電機として使用する電動パワートレーン「REレンジエクステンダアー」を導入。1種類のプラットフォームで多様な電動パワートレーンが展開できる「スカイアクティブ・マルチソリューション・スケーラブルアーキテクチャ」に取り組むなど、2025年までに電気自動車(EV)3車種を投入する。

 加えて2025年には、新開発のEV専用プラットフォームを使った商品群を発売する。2030年のEV比率として、販売の25%を目指し、EV専用プラットフォームで複数のモデルを展開する。今後、電動車の積極的な導入によって2030年までにすべてのモデルの電動化を完了させる。(編集担当:吉田恒)