ダイドードリンコが26日、平成25年1月期第3四半期決算を発表した。連結売上高は、113,428百万円(前年同期比0.5%増)、営業利益は6,918百万円(前年同期比6.0%増)、経常利益は6,813百万円(前年同期比18.0%増)、四半期純利益は3,898百万円(前年同期比95.2%増)となっている。
国内経済環境は、東日本大震災の影響による停滞から一部で持ち直しの動きが見られたものの、電力供給問題や円高の長期化、海外経済の先行きへの懸念など依然として厳しい状況で推移。飲料業界においても、消費者の節約志向は依然継続しており、さらに低価格化が進行するなど販売競争が益々激化する厳しい状況が続いている。
こうした中、同社の主力である飲料販売部門では、厳選したコーヒー豆とこだわり続けてきたブレンド技術を駆使して開発した新生「ダイドーブレンド」を発売。ユーザーの求める豊かで複雑な味わい深さを実現したこのブランドのコンセプトを「Blend is Beautiful.」とし、「ブレンド」の素晴らしさを広く訴求していき、幅広いユーザーの囲い込みとシェアの維持拡大に注力してきた。
自販機の導入については、消費者に支持される注目度の高い新しい自販機の積極投入と、不採算先自販機の撤去やスクラップ&ビルドという投資効果に主眼を置いた設置ロケーションの選定を行い、採算性を一層重視した強固な全自販機の見直しに注力。導入する自販機については、「ヒートポンプ自販機」、「LED照明自販機」など地球環境に優しい節電効果の高い「エコ自販機」の徹底した開発・採択に努めている。さらに災害時における迅速で有効な支援ツールとなる「災害救援自販機」や、収益金の一部を募金として寄付する「緑の募金自販機」、「盲導犬育成募金自販機」、「ギャラクシー募金自販機」等の「社会貢献型自販機」を投入するなど、地域社会や消費者に支持される新しい自販機の積極投入を行っているという。
また飲料受託製造部門では、近年の消費者ニーズをいち早く掴み、従来のドリンク剤のノウハウを礎として、「美容と健康」を謳った女性向け商品を開発する体制を構築。多方面にわたり受注を獲得することが可能となった。さらに営業開発体制の強化並びに生産体制の整備が年々拡充したことに加え、昨今の厳しい経済環境の変化から大手医薬品等有力メーカーの生産スタイルが、「自社生産」から「OEM生産」にウエイトシフトしたことなどにより、傾向的には安定した受注を確保している。
さらに、食品製造販売部門ではドライフルーツゼリー市場においてトップシェアを有するたらみの発行する全ての株式を取得し、連結子会社としたことに伴い、新たなセグメントを構築。第3の柱となる新分野の事業を獲得したことで、将来の持続的成長を実現できる新たなビジネスチャンスの創出を図り、企業価値向上に注力したという。
なお、通期の見通しとしては消費者の節約志向の継続など引き続き事業環境は厳しい状況が続くものと想定されるが、新生「ダイドーブレンド」の発売などコーヒーの販売強化を図るなど、利益拡大に向けた販売活動に注力し、修正無しの連結売上高151,200百万円(前年比2.6増)、営業利益7,600百万円(前年比4.2%増)、当期純利益3,400百万円(前年比44.6%増)の予想としている。