佐渡の金山 登録後押しへ自民外交部会ら決議

2022年02月06日 10:14

 自民党の外交部会(部会長・佐藤正久参院議員)、文部科学部会(部会長・山本ともひろ衆院議員)、外交調査会(会長・衛藤征士郎衆院議員)、文化立国調査会(会長・山谷えり子参院議員)、日本の名誉と信頼を回復するための特命委員会(委員長・有村治子参院議員)が「佐渡の金山」の世界遺産登録に向けた政府の取り組みを後押しするとして、4日までに決議を取りまとめ、松野博一官房長官らに申し入れを行った。

 申し入れ決議では(1)世界遺産委員会の委員国や国際的な専門家への働きかけを積極的に行うことや韓国の主張に間断なく、事実に基づいて正々堂々と反論し、国際社会に対して理解を得られるよう粘り強く説明するとともに、国民にも正確な認識を届けるよう広報を徹底すること。

 (2)内閣官房に設けられたタスクフォースでは韓国などによる根拠のない誹謗中傷などに有効に反論するための材料を集め、理論武装を行う為の強力な体制を早急に構築すること。

 (3)世界遺産委員会から今年12月1日までに提出が求められている『明治日本の産業革命遺産』の保全状況などについての報告書に万全を期し、2023年6月の同委員会での審議に悪影響が及ばないよう、政府一丸となって対応すること、としている。

 しかし、韓国の主張に反論するための材料集めが必要なのではなく、必要なのは「歴史的事実」の材料で、日本共産党の志位和夫委員長が指摘する通り「世界遺産の推薦登録にあたっては、過去の歴史の一部分だけでなく、負の歴史も含め、歴史全体の文脈の中で位置付けられるべき」。不都合なことをないことにする「歴史修正主義」に陥ってはならない。

 志位氏は1日の記者会見で「戦時に佐渡金山で朝鮮人の強制労働が行われていたことは歴史的事実であり、しっかり認めることが大事」と公文書でも明らかになっていると例示し「強制労働」の実態を認めたうえで「歴史に正面から向き合い、誤りを認めていく必要がある」と強調した。(編集担当:森高龍二)