岸田文雄総理は17日の参院予算委員会で、立憲民主党の蓮舫議員の質問に答え「核による威嚇、核の使用は絶対あってはならない」とプーチン大統領を強くけん制した。そのうえで「そうした考えを国際社会とともに我が国もしっかり世界に向けて発信していかなければならない」と強調した。
蓮舫氏は「私たちは野党ですが(ロシアを止めるため)政府に最大限、協力したい」と前置きしたうえで「安倍内閣の『対ロシア大盤振る舞い』の外交方針がプーチン大統領を助長させたのではないか」と安倍政権で進めてきたロシアへの外交姿勢を、諸々例示したうえで、見直すべき考えがあるかを質した。
岸田総理は「エネルギーはじめ日ロ関係全体の底上げを考え、領土問題も考え、平和条約を締結するべく外交を進めてきた。今回の事態を受け、従来通りに関係を続けていくことは難しい状況になっている。領土問題はじめ平和条約交渉について、今、展望を申し上げることはできない状況だ」と答えるとともに「我々の努力は結果につながっていない」と成果をあげられずにきたことを認めた。
その一方で、ロシアとの経済協力関連予算約21億円が新年度政府予算案に計上されている問題で、蓮舫氏はロシアへの経済制裁との整合性から見直し、修正を求めたが、岸田総理は、これには国益、権益の視点から「修正する考えはない」と応じられない姿勢を強く示した。
蓮舫氏は「修正しないなら、せめて、この予算を全部、ウクライナ支援に組み替えるべきではないか」とも要請、岸田総理は頑なに修正する考えはないことを繰り返した。
蓮舫氏はツイッターで、岸田総理が予算には人道的支援(医療)がある、また先行き不透明を理由に挙げ「修正しない」としたことに関して「中身は露での肥満予防医療プログラムで今必要ではない中身、官僚答弁の誤魔化しです」と総理自身が中身を吟味し、判断するよう求めた。(編集担当:森高龍二)