インドに現地企業と合弁で三菱重工が大型搬送機器の製造会社を設立

2011年11月11日 11:00

 三菱重工業は、インドのアヌパム社(Anupam Industries Limited)と合弁で、港湾向けコンテナ取扱クレーンなど大型搬送機器の製造会社を同国に設立した。

 これにより、すでに同製品の同社技術を供与しているアヌパム社との協業体制を一層強化し、急速に成長するインド市場、さらにはアジア・中東・アフリカ市場の積極開拓に向けて、一層のコスト競争力強化を狙う。また、グジャラート州に構造体製作工場と組立工場の2工場を新設し、2012年前半から港湾向けコンテナ取扱クレーンの生産を開始。生産能力は年間60台となる。

 アヌパム社はインドのクレーン最大手で、1973年の設立。製鉄所、発電所、造船所、化学肥料・石油化学プラントや重機工場に多様なクレーンを多数納入してきた実績を持つ。同社は2010年、アヌパム社と大型搬送機器の技術供与に関するライセンス契約を締結。同社が持つ製品開発や製造技術、設置工事などに関するエンジニアリングノウハウと、アヌパム社がインド国内に築いている生産基盤や営業・サービスネットワークを組み合わせ、共同で市場開拓に取り組んでおり、合弁会社の設立は提携当初から検討してきた。

 新会社「アヌパム-MHI社(Anupam-MHI Industries Limited)」は資本金18億8,000万ルピーで、出資比率はアヌパム社51%、同社49%。アヌパム本社のあるインド北西部のグジャラート州アーナンド県に本社を構え、コンテナクレーンやアンローダーなどの港湾荷役設備、石炭などのばら荷を運ぶバルク搬送設備、および天井クレーンなど製鉄物流機器の営業、製作とアフターサービスに取り組む。社長にはアヌパム社側からメフル・パテル(Mehul Patel)氏が就任する。

 大型搬送機器市場は今後、国が港湾整備を成長戦略の一つに掲げるインドをはじめ、アジアや、中東、アフリカ、中南米の伸びが期待されている。同社はアヌパム社との合弁会社をグローバル市場対応力の強化に向けた製造拠点として活用し、積極的な営業展開を推し進めていく。