岸田文雄総理は16日の政府与党連絡会議で「この夏の参議院選挙後には新しい資本主義のビジョンと実行計画、骨太方針に基づく総合的な方策を具体化する」とした。
また「予期せぬ財政需要に迅速に対応し、国民の安心を確保するため、5兆円の新型コロナウイルス感染症及び原油価格・物価高騰対策予備費等の確保と6月以降の燃油価格の激変緩和事業を内容とする補正予算を編成することとし、与党の皆様にも審議いただいた上で、明日(17日)概算決定する。予算の追加は2兆7000億円程度であり、今国会での成立を図り、国民生活を守り抜くための万全の備えを固めていきたいと考えている」と強調した。
原油価格の激変緩和措置ではガソリン1リットル当たり、全国平均基準価格168円を基準に、石油元売り業者に先月28日から、最大35円を上限に補助金を出しているが、その石油元売り3社(ENEOSホールディングス、出光興産、コスモエネルギーホールディングス)ともに22年3月期の連結決算は「純利益が過去最高」になった。
ENEOSホールディングスは前期比4.7倍の5371億円。出光興産が8倍の2794億円、コスモエネルギーホールディングスは1.6倍の1388億円。
備蓄在庫評価益も背景にはあるが、ネット上では「元売りだけが儲かっているのか、消費者に還元しないのか」「ガソリンの補助金を元売りに入れ、本来の店頭価格と補助金の関係が分かりにくいのは問題」「前期の何倍も利益が出るような状況にありながら卸価格に35円もの血税負担、どう見ても政府(与党)の選挙戦略としか思えない」「トリガー条項使わずに補助金がこれ」「元売りに補助金は失敗」などの声があがっている。(編集担当:森高龍二)