岸田文雄総理は26日の記者会見で「6月までに『新しい資本主義』のビジョンと実行計画、今年の骨太方針2022を取りまとめたい。そうしたものを明らかにした上で、具体化するのは参議院選挙後、総合的な方策を具体化する」との考えを明示した。
岸田総理は「新しい資本主義の様々な実現に向けた施策、これをしっかりと進めていく、また、エネルギー分野等においても、2050年のカーボンニュートラル等を考えましたときに、経済社会の構造変化にも取り組んでいかなければならない。こういったこともしっかりリードしていけるような方向性をしっかり示していきたい」と述べた。
岸田総理は緊急経済対策の中で、この考えを示し、これは第2段階のアプローチだとした。それに先立つ「第1段階」での緊急経済対策は事業規模13兆円の総合緊急対策と語り「ウクライナ情勢に伴う原油価格や物価の高騰による国民生活や経済活動への影響に、緊急かつ機動的に対応し、コロナ禍からの経済社会活動の回復を確かなものとするため、今月中に一般予備費、コロナ予備費の使用を閣議決定し、速やかに実施に移し、皆様のお手元に各種支援策をお届けする」と語った。
この中で、原油価格の高騰対応に関して「4月までの間、1リットル当たり25円の範囲で補填をし、レギュラーガソリン価格を172円程度に抑えてきた。今般、5か月分で約1兆5000億円規模の新たな補助制度を設けた」と説明。
そのうえで「新制度では基準価格を当面168円に引き下げ、燃料油価格の更なる高騰にも対応できるよう、(元売り業者への)補填の上限を35円に引き上げる。これによって、ガソリン価格が200円を超える事態になっても、市中のガソリンスタンドでの価格は当面168円程度の水準に抑制する」とした。
また「万一、国際原油市場価格が1バレル150ドルといった前例のない水準まで高騰し、35円を超えて補填が必要になった場合にも、価格上昇分の2分の1を支援し、国内価格の上昇を抑制する」とした。
その対象油種は「ガソリン、軽油、重油、灯油、航空機燃料」とし「タクシー用LPガスにも同様に支援。運輸、農林漁業、生活衛生関係営業など、影響が大きい業種への支援」も組み込んでいるとした。しかし、ガソリン1リットル当たりの価格から25円10銭を減免するトリガー条項発動には触れなかった。減税は余程やりたくないもよう。(編集担当:森高龍二)