全世代型社会保障構築会議は17日の会合で議論の中間整理を行った。課題と目指すべき方向では(1)「成長と分配の好循環」実現には全ての世代で安心できる全世代型社会保障の構築が必要(2)社会保障の担い手確保とともに、男女が希望どおり働ける社会をつくる「未来への投資」として「子育て・若者世代」への支援や「社会経済の変化に即応した社会保障制度」の構築が重要(3)包摂的で中立的な仕組みとし、制度による分断、格差、就労の歪みが生じないようにし、中間層を支え、厚みを増すことを目指している。
制度設計において「給付は高齢者中心、負担は現役世代中心という構造を見直し、能力に応じて、皆が支え合い、人生のステージに応じて必要な保障を確保することが基本」。また「世代間対立に陥ることなく、国民的な議論を進めながら対策を進めていくことが重要」としている。
また「働き方や子どもの年齢に応じて、育児休業、短時間勤務、保育・幼児教育など多様な両立支援策を誰もが選択し、利用できる環境の整備が望まれる」として「改正育児・介護休業法による男性育休の推進、労働者への個別周知・意向確認、保育サービス整備などの取り組みを着実に推進する」とともに「仕事と子育てを両立できる環境整備のため更なる対応策について国民的な議論を進めていく」。
このほか勤労者皆保険実現へ(1)令和2年年金制度改正法に基づき、被用者保険の適用拡大を着実に実施。企業規模要件の撤廃も含めた見直しや非適用業種の見直し等を検討する(2)フリーランスなどについて、被用者性等をどう捉えるかを検討。その上で、より幅広い社会保険の適用の在り方について総合的に検討する(3)女性就労の制約となっていると指摘されている社会保障や税制、企業の諸手当などについて働き方に中立的なものにしていくことに今後取り組んでいく。
この日に示された資料では2022年の総人口は1億2544万人でこの内、生産年齢人口は7494万人だが、2040年には人口は1億1092万人まで減少し、生産年齢人口も6000万人を切ると予想されている。一方、高齢者人口は22年では3622万人だが、42年には3935万人になると予想。25年でも単身高齢者世帯が751万世帯になっているが、40年には896万世帯になり、こうした人口推移、生産年齢、高齢者人口の推移などに照らした社会保障の構築が急がれている。(編集担当:森高龍二)