政府は今月上旬に決定する「骨太方針」で個人が預金や現金で保有している貯蓄資産を株式、債券、投資信託など金融商品や不動産などへ投資するよう促す『資産所得倍増プラン』を作成することを原案に盛り込んでいる。倍増と言いながら株式など金融商品、不動産には倍増どころか元本割れリスクが伴うことは言うまでもない。
骨太の方針原案では「我が国の個人金融資産2000兆円のうち、その半分以上が預金・現金で保有されている」とし「投資による資産所得倍増を目指し、NISA(少額投資非課税制度)の抜本的拡充やiDeCo(個人型確定拠出年金)制度の改革、国民の預貯金を資産運用に誘導する新たな仕組み創設など、政策を総動員し、貯蓄から投資へのシフトを大胆・抜本的に進める」としている。
そして「これらを含めて、本年末に総合的な『資産所得倍増プラン』を策定する」としている。
原案では「プラン策定の際、家計の安定的な資産形成に向けて、金融リテラシーの向上に取り組むとともに、家計がより適切に金融商品の選択を行えるよう、将来受給可能な年金額等の見える化、デジタルツールも活用した情報提供の充実や金融商品取引業者等による適切な助言や勧誘・説明を促すための制度整備を図る」と記述している。「資産所得倍増プラン」は日本経済団体連合会はじめ経済界・財界・富裕層が喜びそうなプランになりそうだ。(編集担当:森高龍二)