原発から30キロ圏内に46万人も居住する島根県松江市の中国電力島根原発2号機の再稼働に島根県の丸山達也知事は2日の県議会で同意する考えを表明した。知事は「再稼働は現状において、やむを得ない。容認する」などとした。中国電力は来年度の再稼働を目指している。
中国電力島根第2原発は東京電力福島第一原発と同じ「沸騰水型軽水炉」。原子力規制委員会は昨年9月に再稼働の基準を満たすとして合格の判断をしていた。
中国電力は先月25日に2号機工事計画の認可申請に関する補正書を提出しており、HPでは提出したことを伝えるとともに「原子力規制委員会の審査に適切に対応していくことはもとより、さらなる安全性の向上を不断に追求し、島根原子力発電所の安全確保に万全を期してまいります」としている。
中国電力は津波対策について「島根原発の津波評価では2012年に鳥取県が日本海東縁部に想定した地震による津波、日本海東縁部に想定される地震発生領域の連動を考慮した地震による津波、敷地前面海域から想定される地震による津波を踏まえ、最大津波高を海抜11.9mと評価しており、海側全域の約1.5kmにわたり、海抜15mの防波壁を設置している。この防波壁により津波が敷地内へ浸入することを防ぐ」としている。
また「万一防波壁を越える津波が襲来しても、建物の外側扉と内側の通路や設備室入口等に設置した水密扉により安全上重要な設備への浸水を防ぐ」と説明。
テロやミサイル攻撃に関しては「大型航空機の衝突も想定した対策を講じている」とし「テロへの対策として高圧発電機車や大量送水車等の可搬式設備を配備しているが、更なるバックアップとして『特定重大事故等対処施設』を設置することとしており、ミサイル攻撃に対しても一定の対策になると考えている」と安全性に関しての説明を行っている。
ただ、重大事故発生時に30キロ圏内の46万人の避難を現実的に短期で可能か、5キロ圏内から順次避難になるが、避難計画の実効性の検証が求められる。(編集担当:森高龍二)