ダイドードリンコ、過去最高の増収増益で着地

2013年02月26日 19:53

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過去最高の数字での業績発表を行ったダイドードリンコの高松富博社長。

 大手飲料水メーカーであるダイドードリンコ<2590>が平成25年1月期の連結業績を発表した。その結果、当連結会計年度の売上高は、148,902百万円(前連結会計年度比1.0%増)、営業利益7,934百万円(前連結会計年度比8.8%増)、経常利益7,725百万円(前連結会計年度比15.5%増)、当期純利益は4,410百万円(前連結会計年度比87.6%増)となっており、過去最高の数字での増収増益となった。

 現在、日本経済は東日本大震災の影響による停滞から一部で持ち直しの動きが見られたものの、電力供給問題や円高の長期化、海外経済の先行きへの懸念など依然として厳しい状況で推移している。飲料業界おいても、近年相次ぐ新商品の導入、キャンペーン等による販売促進活動により、各社の激しい市場競争が展開されている。

 こうした中、同社グループは主力である飲料販売部門でブレンド技術を駆使して開発した、新生「ダイドーブレンド」を発売。ブランドコンセプトを「Blend is Beautiful.」とし、広く訴求することで幅広いユーザーの囲い込みとシェアの維持拡大に注力してきた。また、「自販機で缶コーヒーを売る」ことを事業の柱として各チャネルに即したマーケティング戦略を展開し、ブランドを一層強化させることで、更なる収益力強化を推進。その結果、当連結会計年度において、飲料販売部門の自販機による売上比率が86.5%、コーヒー飲料の売上比率が54.7%となり、いずれも業界平均をはるかに上回る状況となっている。

 さらに自販機の導入については、消費者に支持される注目度の高い新しい自販機の積極投入と、不採算先自販機の撤去やスクラップ&ビルドという投資効果に主眼を置いた設置ロケーションの選定を行い、採算性を一層重視した強固な全自販機の見直しを実施。導入する自販機については、「ヒートポンプ自販機」、「LED照明自販機」など地球環境に優しい節電効果の高い「エコ自販機」の徹底した開発・採択に邁進。災害時における迅速で有効な支援ツールとなる「災害救援自販機」や、収益金の一部を募金として寄付する「緑の募金自販機」、「盲導犬育成募金自販機」、「ギャラクシー募金自販機」等の「社会貢献型自販機」を投入するなど、地域社会や消費者に支持される新しい自販機の積極投入を行っている。

 飲料受託製造部門においては、従来のドリンク剤のノウハウを礎として、「美容と健康」を謳った女性向け商品を開発する体制をつくり上げたことから、多方面にわたり受注を獲得。さらに営業開発体制の強化並びに生産体制の整備が年々拡充したことに加え、昨今の厳しい経済環境の変化から大手医薬品等有力メーカーの生産スタイルが、「自社生産」から「OEM生産」にウエイトシフトしたことなどにより、傾向的には安定した受注を確保できるようになっている。

 さらにドライフルーツゼリー市場においてトップシェアを有するたらみを昨年、連結子会社としたことに伴い、新たなセグメントとなった食品製造販売部門では、将来の持続的成長を実現できる新たなビジネスチャンスを創出していくという。

 また、今後の見通しについて同社グループはブレンドコーヒーなど主力商品群の需要を喚起しブランドを一層強化。引き続き積極的なマーケティング施策を展開することで、売上高のより一層の拡大を目指し、更なる収益力強化を行っていくという。以上により、次期の連結会計年度の見通しは、売上高は159,300百万円(前連結会計年度比7.0%増)、営業利益8,000百万円(前連結会計年度比0.8%増)、経常利益7,750百万円(前連結会計年度比0.3%増)、当期純利益4,410百万円(前連結会計年度比0.0%増)を見込んでいる。なお、期末配当金に関しても、当期の業績の結果、直近予測から10円増配の1株当たり40円とし、年間では60円としている。

 同社グループはこれまで、全国広範囲にわたり保有する約28万台の自販機網を主要販路として、比較的収益性の高いコーヒー飲料を主力商品とする独自のビジネスモデルと安定したキャッシュ・フローや長年にわたって積み上げてきた。「業界各社の積極的な販促活動や販売競争が年々激化している飲料業界のなかで、今後も従来の自販機はもちろん、新たにコンビニエンスストアなどに拡販し、販売チャンネルを拡大していく。さらに大同薬品工業とたらみとともに、グループ一体となって邁進していく」と高松 富博社長は決意を語っている。