沖縄県全戦没者追悼式が23日、沖縄県糸満市で営まれ、参列した岸田文雄総理は「今日私たちが享受している平和と繁栄は、命を落とされた方々の尊い犠牲と、沖縄の歩んだ苦難の歴史の上にあることを胸に刻み、静かに頭を垂れたい」とあいさつした。
岸田総理は「県民のたゆまぬ努力もあり、沖縄は着実に発展してきたが、一人当たりの県民所得の向上、子どもの貧困解消などの課題は、今もなお残されている」と沖縄県の暮らしの底上げの必要を述べ、支援していく考えを述べた。
岸田総理は沖縄について「アジアの玄関口に位置する地理的特性、亜熱帯の美しい自然、国際色豊かな文化や伝統」をあげ「沖縄ならではの魅力と優位性だ」とした。
そにて、「その潜在力を最大限に引き出し『強い沖縄経済』が実現されるよう(関連法を最大限活用し)沖縄振興に取り組んでいく」と沖縄経済の振興を中心にあいさつした。
一方で、普天間や辺野古には触れなかった。岸田総理は米軍基地に関して「今なお大きな負担を担っていただいている」と述べ「在日米軍基地の施設・区域の整理、統合・縮小を進めている。基地負担軽減の見える成果を一つ一つ着実に積み上げていく。世界の誰もが平和で心豊かに暮らせる世の中を実現するために不断の努力を重ねていくことを御霊にお誓い申し上げます」と頭を垂れた。
総理あいさつ中には追悼式場外から「戦争ハンターイ」「帰れ~、帰れ~」などヤジが飛んだが、岸田総理は用意したあいさつ文を粛々と読み上げ、頭を下げて挨拶を終えた。(編集担当:森高龍二)