ポスト冷戦期の次の時代を占う重要な局面と総理

2022年06月30日 06:59

 岸田文雄総理は「NATO(北大西洋条約機構)首脳会合出席にあたっての日本のビジョン」と題した寄稿をスペインの新聞「エル・パイス紙」に行った。この中で「今回のマドリードでのNATO(北大西洋条約機構)首脳会合は、ポスト冷戦期の次の時代を占う重要な局面となる」との認識を示した。

 岸田総理は「我々はウクライナ危機により、欧州とインド太平洋の安全保障は不可分であることを改めて認識した。ウクライナは明日の東アジアかもしれないとの強い危機感の下、日本は対露外交を根本的に転換することを決断し、同志国と連携して、強力な対露制裁やウクライナ支援に取り組んできた。今回の首脳会合でも、ウクライナ危機への対応について率直に議論を交わし、NATOを始めとしたパートナーとの連携を一層強化したい」と連携強化を求めた。

 また「ウクライナ危機や東アジアの厳しさを増す安全保障環境も踏まえ、本年末までに新たな国家安全保障戦略を策定し、5年以内に防衛力を抜本的に強化する決意」とし「いずれの国もその国の安全を1か国だけで守ることはできない。私自身、強力に『新時代リアリズム外交』を展開し、外交と安全保障を両輪として動かしていく」と改めて「5年以内の防衛力抜本的強化」を世界に発信した。

 とはいえ、防衛力強化による防衛費の規模やそれを裏付ける財源については国民にも何らの説明はなされていない。自民党が求めるGDP比2%以上なら現行防衛費の約2倍、11兆円にもなり、平和国家を標榜しながら、事実上、世界第3位の「軍事費」大国になる。(編集担当:森高龍二)