世界で最も人気のあるゲームのひとつ「マインクラフト」。そんなマインクラフトの中でも、学校教育の現場で使われている「教育版マインクラフト」を使ったユニークなイベント「Minecraftカップ2022全国大会」が今年も開催される。
同大会は、全ての子どもたちがプログラミング教育やデジタルなものづくりに触れることのできる機会を創出することを目的に行われているもので、テーマに沿って教育版マインクラフトで作られたワールドを世界中から募集し、その内容を競い合う。今年で4回目を迎え、これまでの参加者は合計7,742名にものぼる。
日本は、家庭用のテレビゲーム機を世界に発信したり、ロボット先進5か国に名を連ねてはいるものの、プログラミングやICT(情報通信技術)教育については後れを取っているといわれている。2020年から小学校においてプログラミング教育が必修化されたものの、まだまだこれからと言わざるを得ない。世界的に加速する情報化社会の波に乗り、上手く渡っていくために、大人たちがデジタルネイティブな子どもたちにできることは、単にキーボードのたたき方を教えることではなく、子どもたちが自ら考え、創造する機会を提供することではないだろうか。プログラミング体験を通してプログラミング的思考を育み、また身近な問題発見や解決にコンピュータやソフトウェアの働きを活かし、よりよい社会をつくっていく。「Minecraftカップ2022全国大会」はまさに、そんな貴重な機会の一つといえる。
そこで重要となるのがテーマだ。ただ単に凝ったワールドや面白いワールド、奇抜なワールドをマインクラフトで作るのではなく、社会的なテーマに沿ったワールドをつくるのが、この大会の肝である。本年度のテーマは「生き物と人と自然がつながる家・まち~生物多様性を守ろう~」で、例年よりもより深くSDGsを意識したテーマが設定されており、SDGs目標の「14.海の豊かさを守ろう 」「15.陸の豊かさも守ろう」の両方またはいずれかを取り入れ、生物多様性保全の要素を入れたワールドが募集されている。
とはいえ、子どもたちが一から取り組むには少し難しいテーマでもある。そこで、子どもたちをサポートするのが大会パートナーだ。同大会では、積水ハウス株式会社をはじめ、三菱地所株式会社、農林中央金庫、さらにはUUUM株式会社、地域の新聞社など多くの企業が大会パートナーとして参加しており、ワールドづくりのサポートを行う。
中でも、大会のゴールドパートナーである積水ハウスは、8月1日からの作品応募受付に向けて、参加者向けの応援施策を実施。既に実施している「積水ハウス住宅展示場の見学機会の提供と卒業証書の授与」に加え、7月13日からは、積水ハウスの生物多様性保全を目指す庭づくり「5本の樹」計画や住宅の最新技術などの大会のヒントが詰まった冊子や、庭に招きたい鳥や好きな蝶などから、自分の住む地域に合った樹木を調べることができる「庭木セレクトブック」の使い方を分かりやすくまとめたリーフレットを無料配布している。さらに同社の大会特設サイトで、SDGs目標14、15における同社取り組みを紹介する動画を7月28日から無料公開する。
教育版マインクラフトは、クラスの生徒と指導者がひとつの世界を共有して共同作業を行えるのが大きな特徴となっている。その特徴を活かして、当大会を通じて、お互いに協力し合えば糸口は見つかるのではないだろうか。楽しみながら、学び、考えることができる、この貴重な機会をきっかけに、子どもたちのICT教育が発展することを期待したい。(編集担当:藤原伊織)