国葬儀を休日にすることは検討していない 政府

2022年07月24日 09:55

 松野博一官房長官は22日午後の記者会見で、安倍晋三元総理の「国葬」が9月27日(火曜日)平日になる事に関連して、共同通信記者が平日だが、休日扱いにするのかと質したのに対し「国葬儀を休日にすることは検討していない」と平常通りとした。国葬に賛否両論がある中で、世論に配慮したものとみられる。

 松野官房長官は国葬に関して賛否両論があることでの国民の理解を得るための努力について「様々な意見のあることは承知している。国葬儀は儀式として行うもので、国民1人1人に政治的評価や喪に服することを求めるものではない」と改めて強調。松野官房長官は「引き続き、こうした点について、しっかり説明していきたい」と答えた。

 松野官房長官は元総理の追悼の在り方について「諸般の事情を踏まえながら、国民の心情やご遺族のお気持ちなど、総合的に勘案し、その都度、相応しい方式が決められてきたと考えている」とした。

 また今般の法的根拠については「内閣府設置法第4条第3項33号に内閣府の所掌事務として、国の儀式に関する事務に関することが明記され、国葬儀を含む国の儀式の執行は行政権に属することが法律上明確になっている。閣議決定を根拠として行い得るものであると考えている」と閣議決定のみで国葬ができると政府としては解釈したとの考えを示した。

 この条項解釈を巡っては立憲民主党の小西洋之参院議員が「2001年施行の内閣府設置法4条3項33号「国の儀式」を根拠とする以上は、同号が、国葬が解釈可能な規定である必要がある」とし資料の開示を求めている。

 小西議員は21日現在の状況として、内閣府は「①国葬の法的根拠を内閣法制局と整理した資料一式②内閣府設置法の内閣法制局審査資料などは、政治家を含む決裁手続があり、まだ出せない」としているとし、内閣法制局は「①②は内閣府の了解が得られず出せない」とするなど、開示を拒んでいるとしか思えない状況をツイッターで伝えている。

 政府は「閣議決定を根拠として行い得るものであると考えている」と政府の解釈論をいうのではなく、法的根拠となる客観的な資料を示して説明していくことが必要だろう。(編集担当:森高龍二)