なぜ東京にJアラート?危機煽るだけ

2022年10月06日 06:39

 北朝鮮が4日、飛行距離約4600キロとみられる弾道ミサイルを発射、7時28分~29分頃、青森県上空を通過し、日本の東側約3200キロ離れた太平洋(日本の排他的経済水域の外)に落下したが、政府は7時27分に「北海道」となぜか「東京」、7時29分には「青森県」と再び「東京」にJアラートを鳴らし、避難を呼びかけた。青森県にしてもミサイルが上空通過か、通過後でのJアラート。落下後に鳴らされてもいかがなものか。

加えて、飛行した最高高度は約1000キロ。今回のミサイルが「日本の領空」となる『高度500キロ』以下での飛翔だったのか、宇宙空間の飛翔でもJアラートが必要か、検討の余地がありそうだ。

 防衛費の大幅増額が年末にかけ具体化していく中で、東京でのJアラートは「危機感をあおり、防衛費増額批判を抑制する効果を狙ったのか」との見方さえ生じそう。

 自民党国防部会で石破茂元防衛大臣は「落ちた後に避難してくださいと言われてもどうしようもない」。落下の見込みのないところへのJアラートは「オオカミ少年みたいな話。国民が反応しなくなるというのは非常に恐ろしい」と苦言と懸念。

 松野博一官房長官は記者会見で「注意が必要でない地域にも関わらず、東京都の島嶼部9町村にミサイルが発射された旨の伝達が行われた。関係省庁で原因を確認中」とした。(編集担当:森高龍二)