防衛財源で個人所得税負担増措置行わない 総理

2022年12月11日 10:29

 岸田文雄総理は8日開いた政府与党政策懇談会で防衛費について「5年以内に緊急的に強化を進める必要がある」とし「防衛力整備計画の規模については防衛力の抜本的強化に必要な内容を積み上げ、43兆円程度とする」と改めて23年度から5年間での総額を43兆円程度と示した。

 また「27年度(令和9年度)には防衛費とそれを補完する取組みを合わせ、現在の国内総生産(GDP)の2パーセントに達するよう予算措置を講じる」とした。

 岸田総理は「抜本的に強化された防衛力は27年度以降も将来にわたり維持強化していく必要がある。安定的に支えるためしっかりした財源措置が不可欠。27年度以降、防衛力を安定的に維持するためには毎年度約4兆円の追加財源の確保が必要となる」と語った。

 そのうえで「4兆円の約4分の3については歳出改革、決算剰余金の活用、税外収入を活用した防衛力強化資金の創設など様々な工夫を行うことで賄う。残り約4分の1の約1兆円強については国民の税制で協力をお願いしなければならない。その際、現下の家計を取り巻く状況に配慮し、個人の所得税の負担が増加するような措置は行わないこととする」と明言した。

 また岸田総理は「23年度から27年度までの間の新たな防衛力整備計画43兆円の財源についても同様の考え方で確保する」とした。

 岸田総理は「歳出改革や特別会計からの受入れ、コロナ対策予算の不用分の返納、国有財産売却などの工夫を先行して始めることとし、来年度からの国民の負担増は行わず、27年度に向けて複数年かけて段階的な実施を検討する」とした。

 また「政府与党で緊密に連携して防衛力強化に係る歳出歳入両面での財源確保の具体的内容を年末に一体的に決定する。税制部分については与党税制調査会において税目、方式等、施行時期を含めて検討いただくようお願いする」と述べた。(編集担当:森高龍二)