野田佳彦総理は28日開かれた衆参両院の本会議での所信表明演説で「東日本大震災による被災地の街や暮らしを元通りにし、復興に向けて歩む道を確かなものにしていくためには、少なくとも5年間で20兆円近くが必要になると試算されている。これだけの巨額の資金は国会が決断しなければ手当てすることはできない」とするとともに、被災地復興を加速するために「被災自治体に対し、財政面での確かな裏づけを行う」と語った。
野田総理は「被災自治体に使い勝手のよい交付金を創設する」としたほか「自主事業を思い切って支援し、各種の補助事業でも自治体の負担分を実質的にゼロにする」と表明し、国の責任にもとで被災地復興に全面支援していく考えを強調した。
また、「杓子(しゃくし)定規な国の決まりごとが復興プランを邪魔してはならない」として、規制緩和や税制の特例を認める復興特区制度の創設や被災地の強みを活かした最先端モデル地域づくりを制度面で応援する考えを述べた。復興特区においては法人税を5年間無税にするなどとしている。(編集担当:福角忠夫)