2023年のお正月は、久しぶりに賑やかなお正月となりそうだ。新型コロナウイルスの脅威は未だに続いているものの、感染対策を充分に心掛けてお出かけするスタイルもすっかり定着してきた。帰省だけでなく、プチ旅行やイベントなどに参加する計画を立てている人も多いのではないだろうか。また、それに合わせて今年は全国各地でもカウントダウンイベントや、ニューイヤーイベントも数多く開催される予定だ。
しかし、それでもやはり人混みはできるかぎり回避したい。正月早々、コロナやインフルエンザに感染して会社や学校を休まなくてはならないような事態だけは避けたいところ。そこで注目されているのが、地方へのプチ旅行だ。政府の旅行支援策なども上手く活用して、年始に日帰りや一泊旅行を計画している家庭も多いようだ。大規模なライトアップイベントや遊園地、アミューズメント施設などに行くのも良いが、この時期でしか体験できないことや、地域ならではの旬の魅力を再発見するような旅もおススメだ。
例えば、岡山県苫田郡鏡野町にある「山田みつばち農園」では、新年1月5日から「いちご摘み採り体験(量り売り)」を開始する。同園は、みつばち産品の製造販売を営む株式会社山田養蜂場の観光施設で、6品種の中から好きなイチゴが摘み採れ、カフェスペースでは摘みたてが食べられる。さらにカフェメニューとして、同園で栽培されたイチゴを使った「農園完熟いちごパフェ」も同日に新発売されるという。同園のイチゴは化学農薬を使わずに育てているため、安心して食べることができる。家族みんなで、美味しいイチゴを頬張ると2023年も笑顔で過ごせそうだ。
石川県金沢市にある兼六園は毎年、大晦日と正月の三が日は無料開放されることで有名だ。兼六園といえば、水戸偕楽園、岡山後楽園とならぶ日本三名園の一つ。運良く雪が降れば、雪化粧の美しい庭を堪能できる。「雪吊り」が見られるのも冬の間だけだ。また、金沢の正月の恒例行事といえば江戸時代から続く火消し「加賀鳶」。金沢城址公園に40本以上ものはしごが立てられ、市内の消防団から参加する千人以上の消防士が、勇壮な演技を見せてくれる。新幹線も開通したことで、金沢は東京都内からのプチ旅行先としても人気のスポット。日本海の旬の海鮮に舌鼓を打てば、縁起のいい正月を迎えられそうだ。
また、広島県福山市にある、築城400年を迎えた福山城では、1月29日まで「チームラボ 福山城 光の祭」を開催している。チームラボといえば、最新のデジタルテクノロジーを駆使したインタラクティブなアートを各地で展開し、話題沸騰のデジタルコンテンツ制作会社。そのチームラボが、歴史ある福山城の石垣や伏見櫓、本丸などを、人々の存在、そして自然のふるまいによって変化する光のアート空間に変えている。都会のライトアップとは一味違った光に浸りながら、歴史に思いを馳せれば、いつもと違うアカデミックな正月が過ごせるのではないだろうか。
寝正月もいいけれど、今年は久しぶりに外出規制のないお正月。感染対策には十分に気をつけながら、幸せなお正月を過ごしていただきたい。(編集担当:藤原伊織)