岸田文雄総理は30日の衆院予算委員会で、原発再稼働について「新規制基準に基づいた原子力規制委員会による審査で、しっかり基準をクリアし、なおかつ地元の理解をしっかりと得たうえでなければ原発は動かさない」と明言した。立憲民主党の逢坂誠二議員の質問に答えた。
逢坂氏は「原子力規制委員会の新規制基準に適合することは(原発再稼働の)一つの条件という風に思う。もう一つある」とし、事故が発生した時の避難計画をあげた。
逢坂氏は「事故が起こった時、これを守るために何が必要か。これがしっかりしていることが非常に大事だ」と政府を質した。
逢坂氏は「日本の原発は3・11以前、過酷事故は起きない。起きないから避難計画も事故を起きた時のことを想定して立地させているわけではない。だから事故が起きた時に、合理的、客観的に考えて立地させていない。そこが日本の原発の大きな問題点だ」と指摘し、総理の見解を質した。
岸田総理は「しっかりとした避難計画がない中で建設中の原子炉への核燃料の取り付けや再稼働が実態として進むことはないと考えている」と答弁。逢坂氏は総理の答弁を受けて「しっかりした避難計画がなければ実態として原発を再稼働させることはないという答弁を頂いた。極めて重要な答弁だ」と総理の原発再稼働に関しての条件ともいえる答弁の重さを指摘した。(編集担当:森高龍二)