日本共産党は2日までに統一地方選での政策アピールを発表した。(1)大軍拡に反対をつらぬくとともに、憲法を生かした平和の外交で戦争の心配をなくしていく(2)物価高騰から暮らしと営業を守り経済を立て直す(3)環境を破壊する原発にも石炭火力にも頼らず、省エネと再エネの推進で気候危機を打開する(4)ジェンダー平等の社会への改革など、岸田政権に対して(5)対決とともに抜本的な提案で政治を変えていくとしている。
特に5年間で43兆円を投じ戦闘機や継戦能力増強など防衛力の抜本的増強を掲げる岸田政権に対し、共産党は岸田政権が「専守防衛に徹し、他国に脅威を与えるような軍事大国にならない」と言い張っていることは大嘘と指摘。
岸田政権がかかげる「GDP比2%以上」の大軍拡で、日本の軍事費は米国、中国に次ぐ世界第3位になる。相手国の領土深くまで攻撃できる長射程のミサイルを大量に配備する。文字通り「他国に脅威を与える軍事大国」そのものと訴えている。
また敵基地攻撃能力保有に関して「最大の目的は米国が世界的規模で構築している『統合防空ミサイル防衛』(IAMD)に『シームレス(切れ目なく)に融合』する形で参加することにある」とし「米軍はIAMDのドクトリンとして『先制攻撃』を公然と明らかにしており、米軍と自衛隊が『融合』して無法な戦争を行う重大な危険がある」と警鐘を鳴らした。
加えて、安保3文書で「集団的自衛権の行使として敵基地攻撃を行うこともできると明記している。日本が武力攻撃を受けていないのに、米軍が戦争を始めれば、それが先制攻撃の戦争であっても、相手国に日本が攻め込むことになり、そうなれば相手国から大規模な報復攻撃を受け、日本は焦土と化す。アメリカの戦争に日本を巻き込むことが正体」とも指摘した。
共産党は対案として憲法9条を生かして東南アジア諸国連合(ASEAN)が主導し、日、米、中、ロなども参加している東アジアサミットを強化し、東アジアの全体をASEANのような平和の共同体にしていこうと提案している。「軍事栄えて民滅ぶ国にしてはなりません」と支持を訴える考えだ。(編集担当:森高龍二)