高市大臣の苦しい答弁に信憑性疑う声も

2023年03月14日 07:20

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高市大臣は「文書には私が言うはずもないことがたくさん書かれている。この時期に放送法の解釈や政治的公平について私がお話したという事実が一切ないことを、自信を持って申し上げる」などと強弁した

 放送法解釈を巡る問題。当時、安倍内閣で総務大臣だった高市早苗経済安全保障担当大臣が13日の参院予算委員会でも「行政文書」の内容を否定する答弁を続けた。行政文書にある「2015年2月13日(金)15時45分~16時、大臣室で行われた『大臣レク』について高市大臣は「大臣レク自体がなかった」と答弁した。

 また「文書の内容は不正確だ」とも主張。しかし、どこがどう不正確なのか示すこともない。「怪文書」から「捏造」、「不正確」と高市大臣の表現が変遷し、高市大臣の発言に対して信憑性を疑う声もあがっている。

 2015年2月13日の大臣レクの結果(政治的公平)のペーパーでは「一つの番組についてどう考えるのか」「そもそもテレビ朝日に公平な番組なんてある?どの番組を極端な印象。関西の朝日放送は維新一色」「官邸には『総務大臣は準備しておきます』と伝えてください」などなど、高市大臣の発言とするメモが記されている。

 高市大臣は「文書には私が言うはずもないことがたくさん書かれている。この時期に放送法の解釈や政治的公平について私がお話したという事実が一切ないことを、自信を持って申し上げる」などと強弁した。

 しかし、高市大臣はNHKが総合番組「クローズアップ現代」で2014年5月14日に放送した『出家詐欺』報道事案に対し、2015年4月28日にはNHKに厳重注意を行っており、厳重注意の根拠として「放送法の『報道は事実をまげないですること』(第4条第1項3号)と『放送事業者は、放送番組の種別及び放送の対象とする者に応じて放送番組の編集の基準を定め、これに従って放送番組の編集をしなければならない』(第5条第1項)との規定」をあげていた。

 当時は安保法制を巡る議論で世論が二分し、安倍総理が名指しした番組などへの対応もあり、放送法解釈に関し、レクを受けることがあったのではないかと見るのが自然だ。

 小笠原陽一情報流通行政局長はこの日の参院予算委員会で「このような文書がつくられたのなら(大臣レクは)あったのではないか。(2015年)2月13日に大臣レクがあった可能性は高いと考えられる」と答弁した。

 立憲の蓮舫参院議員は「官僚は文書主義に則り公文書を作成。が、時の総理が『ない』と国会答弁したため財務省が公文書を改竄したのが森友問題」とツイッターで発信。「今回も当時の大臣が『捏造』と国会答弁。が、さすがに『あった』レクを『ない』とは総務省は言えなかった。当時の大臣で公文書責任者の答弁が見苦しい」と高市大臣の答弁を酷評した。

 小西洋之参院議員は「総務省は、大臣レクはあったと言っているのだから、このレク記録を作成した官僚に『中身をねつ造していますか?』と聞いたらいいのです。公文書のねつ造は国家公務員法違反、刑法犯罪であり、そもそもする理由もないので官僚(総務省)は否定するでしょう。どのみち、高市大臣の議員辞職は必至です」とツイッター発信した。

 同時に小西議員は「高市大臣の主張だと、高市氏は総務省から一度も大臣レクを受けることなく、その頭ごなしに礒崎氏が安倍総理の了解を得て総務官僚と放送法の解釈を作成し、藤川議員を質問役に仕立て、しかし、礒崎氏も官僚もそれらのことを最後まで一言も告げずに高市氏に国会答弁をさせたことになる。これは虚言だ」としている。「表現の自由」「政治的公平」という民主主義の根幹に関わる案件だけに徹底した真相解明が求められている。(編集担当:森高龍二)