ホンダは昨年10月に公式に発表した今後の本格的なEV生産に向けた施策に沿った、具体的な米国内の四輪車生産体制の改変について発表した。それによると米国オハイオ州内の既存工場を北米におけるEV生産拠点として進化させるとした。そのためのステップとして、米国内の生産体制を大きく刷新する。
ホンダは、1982年に米オハイオ州メアリズビルに四輪車製造工場を建設し、日本の自動車メーカーとして初めて米国における四輪車生産を開始、昨年創業40周年を迎えた。今後、米国オハイオ州内の3つの既存工場(メアリズビル四輪車工場とイーストリバティ四輪車工場、四輪車用パワートレインを生産するアンナ・エンジン工場)に合計7億USドルの投資を行ない、北米におけるEV生産の拠点とするという。
具体的な内容も明らかにした。まず、メアリズビル四輪車工場は、現在ガソリンモデルとハイブリッドモデルを生産している2本のラインを、2024年1月より1ラインに統合し、今後のEV生産にも対応するために、新たに必要となるインフラ設備などの導入を進め、本格的なEV生産に向けて設備全体の最適化を図る。なお、この変更にともない、現在の主力モデルであるUSアコードの生産を2025年にインディアナ四輪車工場に移管する。
次ぎにアンナ・エンジン工場では、V6エンジン用部品の一部工程を、V6エンジン搭載モデルのみを生産するアラバマ四輪車工場内のエンジン工場に順次移管する。これにより生じるスペースを、EVのIPUやバッテリーケースの生産に活用。このバッテリーケースと、LGエナジーソリューションとのEV用バッテリー生産合弁会社が供給するバッテリーモジュールを、メアリズビル四輪車工場で組み合わせてバッテリーユニットを製造し、メアリズビル四輪車工場とイーストリバティ四輪車工場で生産するEVに搭載する予定だ。
また、トランスミッション工場では、現在使用していないスペースを活用し、電動アクスルの製造ラインを関連サプライヤーと連携して設置するとした。(編集担当:吉田恒)